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贈り物のリクエスト [One's Boyhood story]

クリスマスが近づいてくると思い出すことがある。
ボクの一番下の娘、今は小学6年生だが、当事、長男と姉が通っていた幼稚園に入る前だったと思う。
我が家ではサンタに自分がイブに欲しいものを手紙に書いて玄関に貼り付けておくと、サンタが前日それをとって行くのだ。
朝起きて手紙がないとそれはサンタに願いが届いたという証拠である。(まるで宅配の予約みたいだね。)
長男と姉は欲しいものを手紙に書き、それをセロテープで玄関のドアに貼り付ける。
彼らが寝てしまってから、妻が回収し、今年は何が欲しいのかを把握するのだ。
あまりに早すぎて欲しいものが変わっても、1週間前までなら大丈夫とサンタが言っていたそうで、予定変更も時々あった。
しかし、難物は末の「なりきりナル」であった。
彼女は字が書けない。
欲しいものを他の人に話すと願いが叶わない等と言うことを誰かに吹き込まれたか、テレビで見たか、欲しいものを頑として言わず、お姉ちゃんと同じメモ用紙にサンタとトナカイらしき絵入りで△や●や形の判別できない象形文字を連ね、手紙を書くのだ。
それが、読めない。
全く何を書いているのやらサッパリわからん。
本人はちゃんと読めるらしく、自分に読めるものはサンタにもきっと読めると、もの凄く自信に満ちた表情できっぱりと言い切る。
さあ、それから大事である。
妻はそれとなく聞き出そうとし、姉を使って妹から情報を得ようとする。
長男もそれとなく見え見えなんだけど、聞いてたりする。
近所の来年一緒に幼稚園という子供のお母さんから、果てはじいさんばあさんまで総動員で調べ上げる。
ようやく欲しいものを突き止め、おもちゃ屋に予約しようと構えていたら翌朝、新しい手紙が張り出されていたりするともう、パニックである。
小学6年になって頭が先に育ってしまった末娘は、うすうすサンタがボクであることに気づいたらしいが、どうも確信がないらしく、それとなく探りを入れてくるのがおかしい。
ボクの仕事場のロッカーには彼女がサンタのために一生懸命編んだ四角形のとても首に巻けるような長さではない、まるで人形用のマフラーがしまってある。
その袋には、丸や三角でないしっかりした文字でこう書いてある。「サンタさんありがとう」


捨てられなくてね。
(クリスマスが近づくと職場の受付に飾ることにしている。)


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こいし

こんにちは♪
ほほえましいエピソード♪(^。^)
たいへんだと思いますけど、お子さんが大きくなるまでだけの楽しみなのでしょうね(偉そう?)
うすうす気がついているって事は、もうすぐそんな苦労ともお別れしないといけないんでしょうか‥淋しいですね。
by こいし (2007-12-03 15:01) 

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