Sony-Style [雑考]
技術革新が生んだプロフェッショナルの受難にはいくつかある。
素人の感性が小説家と呼ばれていたプロフェッショナルの領域に新しい数万人の感性を持ち込んだ。
プロの存在意義は激しく動揺した。
CGの発達は背景の描けなかった日曜漫画家や少年少女の持つユニークでリアルな感性に新しい画用紙を与え、プロの漫画家はアマチュアとの境界を見失いつつある。
そして今度は写真である。
技術がエレクトロニクスによって補強された素人は、いよいよその裸の感性をオブジェに向け始めた。
馴れ、妥協し、角の取れてきたプロフェッショナルと言う牙城にそこら辺を歩いているお姉ちゃんが挑む、と言う意識すらなく、すいすい登り始める。
ソニーは限りなくプロに危機感を与え、その可能性を惰性から引きずり出し始めた。
素人達が自分の才能に気づく前に、プロは自分のよって立つ世界を確立しなければならない。
ソニーの投げる石は重く、大きい。
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