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スタジオジブリのレイアウト [Special]

スタジオジブリを支える背景画家男鹿和雄さんの作品についてはかなり以前にオススメで書いたことがあった。
ボクが最もショックを受けたのは『もののけ姫』の木々の葉の一枚一枚の葉表、葉裏に使った『緑』の色の多彩さだった。
あの圧倒的存在感は主人公がその中を駆け抜けることがなくとも、それだけで一本の背景映画として成立するような凄まじいものでした。
彼の描く木々や大地の質感の中にはオゾンの匂いがします。
湿った苔の匂い、その中を地下の深い部分から滲出してきた、クリスタルのような清水の輝き、太陽を描かなくとも自分の背中に感じる陽の光の暖かさ。
風の吹き抜ける草原のそよぐ草の揺れる葉の緑、黄色その中に舞い上がる目に見えない雑草の花々の花粉。
部分を克明に描くのではなく、克明が画面全体を支配し、ドッシリとした質感を感じさせる。生き物の生まれる前の自然の経てきた経験まで描き込んでいるような豊かさ。
その、男鹿和雄の図版を見ることができたのは2008年9月28日(日)まで東京都現代美術館で開催されていた"スタジオジブリ・レイアウト展"でした。
購入はそこでしかできなかった画集も中にはあって、その中には色彩が入る前の『スタジオジブリ・レイアウト展 図録』がありました。

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スタジオジブリ・レイアウト展 図録 icon












こういう図版は一般のファンは欲しいと思うかどうかボクは分かりません。
でも、ここには男鹿和雄がその妄執とも言える自然に対する色彩の拘りが、一捌け入る前の形があります。
宮崎駿が描くレイアウトの中に染みこんで行く背景画家の入って行き方が分かるような舞台裏です。





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依光次郎

先日、ポニョを観ました。
個人的にはナウシカかもののけ姫が好きです(トトロも好き千尋も好き・・・、皆好きです)。

次回もののけを観る際には、色彩にも気をつけます。
(マイナーになってしまったレザーディスクがあります。ナウシカなんかベータです。(^^; )


by 依光次郎 (2008-10-11 18:29) 

Mineosaurus

もののけ姫は凄いです。おそらくもうあんな背景画は男鹿和雄自身、体力的に無理ではないでしょうか。
by Mineosaurus (2008-10-11 19:19) 

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