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One's Boyhood Story-34(23) [One's Boyhood story]

[夜] 思い出のかめ

夏の祭のバザー用に、娘達のぬいぐるみを吟味していた。
次女はちびっこいけど中学2年。長女は気は優しくて力持ちの高校2年。長男は県外で学生生活。
娘達が集めたぬいぐるみが衣装ケースに何箱かある。
昨年はまだいるんだと言い張った次女も、今年は『もういらない』だって。
成長かぁ?これ。
でも、気に入ったのはやっぱり遊ばなくても持っておきたいんだね。別にとっておくらしい。
引っかき回している箱の中から懐かしいぬいぐるみが出てきた。

kame.jpg


まだ、長女が幼稚園に入る前、兄の通う幼稚園バスを自分も行くんだと決然とした眼差しで見送っていた頃。
この亀クンは、彼女のお気に入りだった。
確かボクが100円のクレーンゲームか何かでとってきたヤツだったけど、小さい頃から動物好きがちょっと徹底していた彼女は名前こそ付けず、ただの『あたしのカメ』だったけれど、いつも一緒だった。
ナップサックか何かの口を締めるための水色の紐を首輪にして紐を付け、彼女は妻の買い物にそのカメを連れて行った。
家の近くの量販店へ買い物に行くとき、車から彼女はこのカメを抱いて降り、スーパーのポリッシャーがよくかかったツルツルのフロアをそのカメをすいすいと引きずって妻の後をついて歩いた。腹の部分ももこもこのフェルトだったのでカメはまるで泳いでいるようにフロアをすいすいと滑るように泳いだ。
その姿は当時かなり有名になったらしく、入り口近くの花屋のおばさんやレジのお姉さんに娘は名前まで覚えられていた。
どこの子供もやるんだろうけど、妻が買い物をして気をとられていると、ちっちゃな指で商品のサランラップにぷすぷすと穴を開け、夕食のメニューを豪華にしてくれた。
ずいぶんと汚れて泥だらけだった印象があったけれど、どうやら妻が引越の時にきれいに洗ったらしい。
ちょっと縮んでいて、お腹の汚れはさすがに少し残っているけれど、当時の娘の仕草まで鮮やかに思い出させてくれた。

『これ、出していいか?』
いらないと言ったポケモンの山のようなぬいぐるみを袋に詰めながらボクは振り返って娘に聞いた。
高2の娘は即座に言った。
「だめ!」

 このシリーズは自分や子供達の小さな頃の思い出を飾らずに書き出したものだけど、一時、ソネブロのアクシデントで他のブログに分散したりして今のこのブログにあげたものは34でなくて23番目になるね。11の物語が今休止状態のブログの方にあるということになる。

そのうちリメイクしようと思っている。

 

 

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コメント 7

SilverMac

娘二人ですが、今頃、色々なことを思い出します。
by SilverMac (2009-06-30 08:56) 

ナビパ

ふとしたことで思い出す良き思い出ですね^^
by ナビパ (2009-06-30 12:37) 

yakko

こんにちは。
情景が目の前に浮かんできます。(^。^)
by yakko (2009-06-30 14:11) 

ひろりん

サランラップにぷすぷすと穴を開け、夕食のメニューを豪華にした娘さんにnice!
by ひろりん (2009-06-30 19:45) 

でんでん

微笑ましい❤
サランラップのくだりは,吹き出させていただきました.
by でんでん (2009-06-30 22:57) 

yukikaze

思い出の詰まったアイテムってありますね。私はクマでした。
by yukikaze (2009-07-01 13:53) 

未来

想い出はかけがえのない宝物ですね。
亀さんは、この間畑で孵化したばかりの亀さんとそっくりです。
by 未来 (2009-07-01 17:02) 

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