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ピアニストのチェロコンチェルト [音楽]

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オイゲン・ダルベール/チェロ協奏曲ハ長調 OP.20

第1楽章 アレグロ モルト トランクィロ
第2楽章 アンダンテ コン モート
第3楽章 アレグロ ヴィヴァーチェ-アレグロ モルト

リスト直系の高弟でありながら、作風はかなり思索的なものを窺わせる。
以前紹介したピアノ・ソナタも素晴らしいものだったけれど、畑違いのようなこのチェロ協奏曲もなかなかいけてます。
点で表現する弾音と弦と弓の擦過による線の音楽。
どちらも高いレベルでこなせるのは、彼がピアニストとして優れていただけでなく、作曲家としても並みの才能ではなかったこと示している。
父親であるシャルル・ダルベールの才が彼のオーケストレーションについて調和の遺伝子を残しているのかも知れない。
スコットランド出身の帰化ドイツ人であり、ピアニストとしてのウィーンデビューで彼のベートーヴェンを耳にしたブラームスは驚愕したという。
音楽は独学でも、その才はドイツ・オーストラリアを席巻した。
写真を拝見すると側頭から禿げ上がる、音楽家によくある禿げ方である。(別の意味で中国人にもこの禿げ方は多いね。理由はわからんけど…)
この頭の禿方は高弟のウィルヘルム・バックハウスに受け継がれている。(なんか…病気みたいな言い方だけど。)
えー、そうそう。
音楽の方だけど、チェロ協奏曲は多分誰かのオファーがあったんだろうね。自分のピアノ曲とは少しアプローチが違っていて、チェロの技巧を前面に立てている。
その第1楽章。スケール感はないけれど、技術的に詰め込みすぎた上滑り感もあまり感じられない。この辺はヴァイオリンより低音であることが幸いしているのかな。
前面チェロが歌いまくる。オケの使い方がスラブっぽい。中域の厚いチェロの作る太線に絡む金管とかすかにその彼方から吹き下ろすような弦楽の使い方がなかなか。
第2楽章はオーケルトラの総奏がメロディアスで美しい。
お酒を2週間くらい抜いたドヴォルザークみたいでいいね。
高揚してくる音楽の高みに趨るチェロが美しい。
中間部のホルンの使い方なんかはドイツ音楽を完全にこなしている。このアンダンテ コン モートは出色です。
音楽は弦楽のトレモロの中をチェロが豊かなカデンツァを披露して締めくくる。
第3楽章は、盛大なフィナーレ音楽に突入しないところが中庸を尊ぶスコットランドの血なのか、オーケストラは素晴らしい。チェロはアレグロ モルトで第1楽章を回想し、音楽に統一感を持たせている。
立派なもんです。





Cello Concerto

Cello Concerto

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Pan Classics
  • 発売日: 1995/11/17
  • メディア: CD




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コメント 3

あさこ

音楽家の特有の・・・という考察、
ちょっとユーモラスに感じてしまいました。
以前ある有名なチェリストのポートレイトを見たとき、
その頭に、小さな虫が止まっているのを発見して、
チェロを抱えていると撮られるときも、
ものすごく集中しているのだなと驚いたことがありました。

by あさこ (2011-04-03 07:33) 

Silvermac

最近、B&OのラジカセでCDを聴くようになりました。
by Silvermac (2011-04-03 09:31) 

VagreeFaP

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by VagreeFaP (2020-06-27 03:22) 

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