涅槃

サンスクリット語でニルヴァーナは『吹き消された状態』をさし、仏教では人間が存在を自ら意識する生の環境の百雑から解放された状態、つまり『死』である。
ボク達が日本語で聞く『涅槃』はその語感からからの造語のようだ。
でも、サンスクリットやバーリ語よりタイ語やプラークリットの方が日本語のニュアンスに近い。
如来が横になって目を閉じているいわゆる涅槃像は死の姿だけれど、そこには入滅（釈迦の死）の瞬間までの涅槃とそれが去った後の魂の生としての死後がある。
有余涅槃、後者を無余涅槃という。
死後の悟りは仏教徒の意味づけであり、意味されるものが絶対者であるからこそ有意がある。
釈迦のニルヴァーナは死してなお半眼である。
涅槃像が意味するものは、バーリ語の教典を研究された方中村（名前の方は忘れた）さんによれば、そんなに大げさな境地ではなくて安らかな心でえることが出来る静寂の境地を言うらしい。
半眼の涅槃像は
確かにボクにはそんな風に見える。
ニルヴァーナと言えば１９８０年代に非常にインパクトのあったロックバンドが思い浮かぶ。
ボーカルのカート・コバーンの慢性的なヘロイン使用から来る不可避的な死によって、活動を終えた。
スメルズ・ライク・ティーン・スピリット を最初に聞いたときのあっち側に逝ってしまったようなかっとんだ印象は今もって変わらない。

 

彼らは生の状態で平安であったわけでもなく、トランス状態にあったわけでもなく、バンドネームに囚われていたわけではない。
でも、ボーカルのハスキーボイスに、心理的に壊れかけた危うさに惹かれるものがあった。

もう一つはこのエルネスト・ブロッホの小品である。
これはもう、完全に目を閉じて横たわっている。

Piano Sonata & Other Works

• アーティスト:
• 出版社/メーカー: Music & Arts Program
• 発売日: 2001/09/25
• メディア: CD

ネヴァーマインド

• アーティスト: カート・コバーン
• 出版社/メーカー: USMジャパン
• 発売日: 2006/05/17
• メディア: CD

コメント 1

久々にロックを聴きました＾＾
熱くなった体をクラシックでクールダウンｗ
涅槃像ってわりと多いのですね、画像検索して初めてしりました。
入滅であっても、心安らかにいることであっても、
ああいった表情で生きていたいなぁ(´ ε `)
by nana_hyr (2012-01-09 14:46)