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ブログの中の猫たち-103 [Blogの中の猫]

うしちゃんの部屋 

Kontentenさんちの権十

権十01.jpg


素描の素材というのではなく、サイドバーにある画像ではまだ琥珀色の虹彩を保っている目が印象的な三毛君だった。
露出度が少なかったのは以前からだけれど、彼はそれから光を失ったらしい。
今は完全なウォール・アイで視力はもう回復の見込みはない。
でも、自ら苦から逃れるために生きることを諦めるという選択肢をもつ『人』を除けば、生き物はどんなに困難になったとしても生きることを止めない。
そのことを夢想だにしない。
それは逞しいとか雄々しいとかいうものとは異なるもっと本能に根ざした生存への渇望である。
野性をその存在の根源に失わない猫は協調のもとにお互いの慰労と依存を理解する犬達とは異なり、自分の存在を守るためにさらに用心深くなる。
人は、共存する飼い主達は彼らの本能を補完する杖のように寄り添い、彼らの存在をことさら曝すことなく、見守る。
逃走距離は消え、猫は己の知覚する飼い主との距離を裡に取り込んで世界を広げ、そこに安息を得る。
放置するのではなく、不作為に徹するのでもなく、そういう信頼を野性から得た人は、間違いなく己が手で触れる前に既に心で触れることができる人である。
嗅覚と聴覚で全てを知覚することは猫だって困難なはずだけれど、用心深く、臆病に彼は飼い主が示し、自ら取り込んだ信頼の距離のなかで体を丸くして眠る。

 

権十02.jpg

 

 

音楽はベートーヴェンの弦楽四重奏曲第15番イ短調op.132から第3楽章。
こういう音楽の着想が現世にあるとはちと信じがたいのですが、安らかな慰撫とうつむいた顔を光に向けて上げさせる音楽です。


 

 

 





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コメント 6

kontenten

ベートーヴェン弦楽四重奏曲は、大人になったらゆっくり
腰を落ち着けて聴こうと思っている楽曲集です。
一応、アルバン・ベルク四重奏団のCDを少しずつ集めて
今は、コレクションの構築の最中です。
 さて、またまた我が家のネコを描いて頂き、本当に
ありがとうございます。
描いて頂きました権十は、保護して目が一時治った時です。
この後、目の治りが悪いので検査した結果、猫白血病陽性
ただ、悪いのは目と頭?だけ・・・彼の前向きさ加減は
我々人間も見習わねばなりません。
仰る通り・・・今では全盲ですが、ヒゲセンサーと持って
生まれた耳の良さで、色々な難関をクリアしています。
これからも、温かい目で見守ってあげて下さい(^^)
by kontenten (2012-04-08 17:06) 

こいちゃん

眼が見えなくなった権十ちゃんを愛情込めて育ててるkontentenさんご夫妻に敬意を表します。
by こいちゃん (2012-04-08 21:52) 

Mineosaurus

kontentenさん ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は待たないで早く聴いた方がいいですよ。構えないで。アルバンベルクSQは初期の作品が特にいいですね。
権十君の絵は結構気に入ってます。
こいちゃん さん コメントありがとうございます。NHKスペシャル巨大津波のなんたらってやつを見てて気が滅入ってしまいました。作品は出来がいい真摯なものなのに、ことさら不安を煽る陰鬱なナレーションは最低でした。
by Mineosaurus (2012-04-08 22:21) 

Silvermac

動物の子どもの目は共通していますね。
by Silvermac (2012-04-08 22:23) 

pom405

ネコは本当にたくましいですね。生きることをあきらめません。
見習わないといけないと思いつつ・・・・。
by pom405 (2012-04-09 02:25) 

nana_hyr

やさしい瞳が描かれていますね。
白色のやさしさも伝わってきます。
by nana_hyr (2012-04-09 13:14) 

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