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オルガニストのチェロソナタ [音楽]

 

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ヨゼフ・ラインベルガー/チェロ・ソナタハ長調 op.92

第1楽章 ノン トロッポ アレグロ
第2楽章 カンツォネッタ
第3楽章 フィナーレ:ヴィーヴォ

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この作曲家を扱うのはずっと以前、まだYouTube何か使用しなかった頃にピアノ協奏曲を紹介したのと、しばらくたってピアノ四重奏曲を扱ったことがあるだけである。
他に聴くべきものがないのではなくて、結構好きなんだけど、この作曲家まで行きつかなかったんだね。
ようやく何度か彼のチェロ・ソナタを聴き込んで書いております。
ボクの畑ではないけれど、この人はオルガニストとしては相当有名でそちら方面のソナタを何曲も書いている。
当然宗教曲も多い。
でも、ピアノと弦楽のアンサンブルもピアノソナタも独特のやさしい滋味があって捨てがたい。あんまり対位的なみりょくはないけれど。
まず、以前も書いたけど、このドイツ国立造醸所のラインワインみたいな名前に惹かれたね。余計なことだけど。
そうそう、チェロ・ソナタだった。
第1楽章の明確な主題にまで辿る音楽の優しくて簡潔で明確な音楽の流れがいい。冒頭の序奏部は中空からピアノのアルペジオに乗ってゆるりと舞い降りて来るようで突き上げてくるピアノに載せられて再び舞い上がってゆく。
この辺のピアノと異質なチェロの歌は美しい。
そこから感情が盛り上がって行き広々とした旋律に至る。この何度も出てくる主題は何回か聴いているとクセになってくる。
出も、個々までの持って行き方はブラームスの第1番のチェロ・ソナタと似ている。(曲が似ていると言うことではないよ。)主題に至るドラマが似ているのです。
でも、ブラームスはこんなに歌わない。
このチェロはまるでヴァイオリンのように歌う。
中間部にはくぐもった仄暗い情熱があり、主題の変形の中でピアノが明確な主題を打ち込み、白熱してくる。
再現部にいたり解体された動機は再びピアノによって中心に核を持ち終結する。
はしょって書いたけど、要は凄く明確に書かれていて旋律の歌わせ方が実に爽やかで何度も聴いてしまう第1楽章なのです。
第2楽章はカンツォネッタ。短いカンツォーネ。ここでは抒情的小曲っていうような感じだね。
チェロは流れの美しい歌を朗々と歌い、ピアノは確実にオブリガードから抜け出て対極的な暗く強い主張を行う。
スケールを実に効果的に使う。ちょっとここは現存するドイツ・ロマン主義のチェロ・ソナタの中でもなかなかのものであると思う。
フィナーレは協奏的な楽章。個々も明確な主題が呈示され、動機への分解が凄く簡明。
相当レベルの高い志を持った作曲家だねこれは。カミッロ・シューマンやユリウス・レントヘン(レントゲン)と同列に聴いていたけど、ちょっと心の中で座り直したね。

YouTubeには全曲の紹介しかないが、敢えてそうじゃなきゃいけないなと、この曲では感じさせてくれる。
すべてが重厚でロマンティックであるとは言わない。
彼はブラームスではないし、シューマンでもない。
一聴で魅せられる類の音楽ではないかも知れないけれど、もっと聴かれるべきソナタです。

 

 




第2楽章12分32秒あたりから

第3楽章18分32秒あたりから

 

 

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HMVにはCDがありましたが、イメージ画像がありません。多分ボクが持っているものと同じだろうと思いますが………チェロ・ソナタやホルン・ソナタが入っている一枚です。






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Silvermac

「家族に乾杯」は須崎でしたね。
by Silvermac (2012-11-06 16:53) 

Mineosaurus

Silvermacさん:妻の知り合いが出ていたようです。2周続けてありましたが2回目の放送で出たそうです。
by Mineosaurus (2012-11-07 22:33) 

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