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20世紀の古曲 [音楽]

[晴れ] 20日から準備に入った夏祭りもようやく終了。祭りが始まるまではスタッフもテンションが上がり、作業参加のボランティアも多いが、土曜の夜花火の打ち上げが終わり、テントをたたみ通行止めの町道を開放し、翌朝からの後片付けを準備して10時過ぎに帰宅。その後片付けの日曜からは祭りに向かう高揚感はなくてスタッフも少なく、これが一番大変ですわ。
全作業が終わり始めて祭りが終わる。本日しばらくぶりのお休みで、ようやくブログを更新。お久しぶりです。[わーい(嬉しい顔)]

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Sir=ウィリアム・ウォルトン/ヴァイオリン・ソナタ(1949)

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 すべてが美しいとはいえないけれど、惹かれる曲がある。
ヴァイオリンのどこかに身を潜めている爆発寸前のテンションの高さがボクは苦手でこの楽器についてあまり良い聴き手ではない。
それでも、この音楽は美しいと思う。
これはヴァイオリン・ソナタではなく、ヴァイオリンとピアノ二重奏曲といったほうがいい。
いくつかCDが出ているはずだけど、YouTubeで聴けるのはこの演奏だけ。
イ短調という調性で表記されているが、調性には拘泥していないように聞こえる。
20世紀の音楽の調性を記す際のどっちつかずの特徴ともいえなくはない。
第1楽章のアレグロ・トランクィロが比較的ゆったりとしたバランスで演奏されていてピアノのパートのすばらしさが良くわかる。
第2楽章の変奏曲のテーマの提示が似たようなテンポで、表現の幅が詰まりそうなものだけれど、ピアノのジャージィな呼吸がうまく息を継いで行く。
とてもエレガンスな表現が作品の持つ雰囲気に合っている。
20世紀になってもイギリスのこの作品は
もっとも優れたワインの飲み手であった国民性の中に醸成されたドイツ音楽の芳香をその優れた芸術鑑賞力の中で消化し、深い感受性の中に蘇生させている。
決して固有の個性の輝きには乏しくても、すばらしい演奏と聴衆の融和を生み出す素地を確立してゆく。
フォーレの室内楽の最上のピアノパートを聴いているような第1楽章の協奏はちょっと忘れていた清新さを思い出させてくれた。
尖った部分のないとても完成度の高い作品ですね。
大変気に入っております。はい。


ライブ演奏の前に第1楽章のテーマと演奏者の作品に対するコメントが入っておりますが気にせずお聴きくだされ。
全2楽章の作品ですが、演奏者によってかなり時間に差があります。
この演奏は少しゆっくりしてる。でも、遅いと思わない。







Elgar/Walton: The Sonatas for Violin and Piano

Elgar/Walton: The Sonatas for Violin and Piano

  • アーティスト: Edward Elgar,Gerald Finzi,William Walton,Simon Mulligan
  • 出版社/メーカー: Nimbus Records
  • 発売日: 2001/03/06
  • メディア: CD

British Violin Sonatas Vol. 1

British Violin Sonatas Vol. 1

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Chandos
  • 発売日: 2013/06/25
  • メディア: CD


Elgar/Walton;Violin Sonatas

Elgar/Walton;Violin Sonatas

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Asv Living Era
  • 発売日: 1996/10/15
  • メディア: CD

Chamber Music-Violin Sonata Piano Quartet Anon in

Chamber Music-Violin Sonata Piano Quartet Anon in

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Hyperion UK
  • 発売日: 2002/10/08
  • メディア: CD










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Blogの中の猫たち-179 [Blogの中の猫]

JAZZCHAT
 
新婚すーさん&すがめさんちの

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ナナちゃん

遅ればせながら入籍おめでとう!
以前からのろけられていたのでこれからもお変わりなく仲睦まじく。
さて、記念というわけではないのですが、三女?の画像をアップいたしました。
最初に描かせていただいたノエルさんはすがめさんのブログだったね。
ナナちゃんは

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ちょっと表情が幼くて子猫っぽかったのですが、角度的にそう見えるのかね。
デッサンした写真がかなり前のものだったかもしれないけど、この角度はかなり猫っぽい。

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音楽はケニー・Gのブラームスの子守唄。
いわずと知れたソプラノ・サックスの名手。
いわゆるスムーズ・ジャズの推進者。
わかりやすさが批判される。
でも、このブラームスなんか、確かに豊かなポップス性を感じるけれど、ソウルがあるよ。

夏祭り準備の時期になってまいりました。毎日老骨に鞭打ってヘロヘロになりますのでしばしの間普段にも増してサボリ気味になりますが、平にご容赦。


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未聴の遺産 [音楽]

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ジョルジュ・エネスク/ピアノ三重奏曲第1番 ト短調 

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第1楽章 アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ
第2楽章 アレグレット グラティオーソ
第3楽章 アンダンテ
第4楽章 プレスト

非常に残念なことに聴き込んでいて惚れぼれしている間に第1楽章から第4楽章まであったデータが削除されていた。
この作品のカタログは作品のすばらしさに比してなんとも腹立たしいくらい稀少である。
このトリオ・ブランクーシという3人のお嬢さんがたの演奏はブラームスもシューマンもすばらしかったし、ライブのこの曲の演奏もすばらしかった。
CDは出ていて。多分YouTubeのソースはそれだったんだろうし、この演奏も同じものだろうね。
入っていないのは各楽章が始まる前にある拍手。
演奏ではそれが煩わしかったのだけど、このソースはそこをカットしているようだ。
もっとも、このト短調はもともと作品のカタログにある20世紀に入ってからのイ短調の3楽章のトリオとは別物で、つい最近発見された楽譜によるものらしい。
作曲年代は19世紀末(1898年)である。
彼は作品を自分の頭の中にしまっていて楽譜にしていないものが幾つもあり、実際に作曲しているということがピアノ等で演奏されるのを多くの人が聴いていて、その存在が確実視されていながら、彼の死と共に失われてきたという。
ピアノソナタ第2番などもそういう位置づけである。
彼の死によって誰も聞くことができないが、存在したのである。
このト短調のトリオは運の良いことに楽譜になっていた。
後期ドイツロマン派のフィールドに両足をしっかり踏ん張っているが、不意に浮き上がる旋律には民族的な憂いがこめられていて、明快な作品である。
ブラームス的であり、しかも良く整理されていて美しく、かの時代の作曲家諸氏の作品と比べても遜色ない。
ここで紹介するトリオ・ブランクーシの紹介ビデオではこの第1楽章が聴ける。
第2楽章にはアレグレットの速度表記があるがメヌエットである。優雅で舞曲の気品と中間部の憂いの粘らない適度なロマンティシズムが作曲家の音楽的な総合力を見せ付ける。
第3楽章のアンダンテはピアノが主導し、緩やかで優しい古典的な主題を聴かせる。その後に入るヴァイオリンとチェロの美しいさ!短いけれど、自然に響いてくる弦楽とピアノの絶妙な距離感が本当にきれいです。
第4楽章はさまざまな要素が聴かれるけれど、ここまで来ると技術的な達成度が生半可ではなくて、音の重なりがとてもブラームスっぽいけれど、個々の弦楽器とピアノのすべてに傑出した才能を持っていたエネスクの音楽の質の高いエンターテイメントが聴けます。
何でこんなにチェロのパートが繊細なのにピアノとヴァイオリンに埋もれないのだろうか。
中間部のフーガの処理はそれ自体を中心に据えているのではなく、あくまでも歌の中の流れに乗っている。

この作品は今のところブランクーシのCDのみでしか聴けないらしい。
YouTubeですべての楽章が聴けなくなった今、その片鱗を第1楽章でちょっと聴いてください。

Trios

Trios

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Zig Zag Territories
  • 発売日: 2012/03/26
  • メディア: CD





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感性の普遍 [音楽]

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止みきらぬ雨粒がまだ湿ったままの石畳にはねる。
音空間に注ぐピアノの音はそんな風に方向性を持っていて
主題を引き継いでゆく弦楽のアンサンブルがとても絵画的に動く。
優美で涼やかな雨上がり。
情景的な音楽です。
ダンディの音楽は室内楽のいくつかとフランス山人の歌による交響曲くらいしかなじみがない。
ギョーム・ルクーの第2の師であることは承知しているけれど、作曲家としての個性はいまひとつはっきりしなかった。
何度かこのアンサンブルを聴きなおしていて 変容していったフランス音楽の中の『印象派』の意味と戯れた。
もともと絵画の『印象派』の語が使用されたのは、音楽の全体像が核がなく滲んでいて光の当たり方を定めない例えばルノワールの絵画のよう、につかみどころのない抒情を揶揄したものだったと理解されている。
でも、そこには音楽的な霊感にいたるヒントが溢れ返っていて『それだ!』と感じ取った音楽家がたくさんいたのだろう。
無調と不協和音に進む音楽が『試みの音楽』として芸術的可能性を追求し、大多数の聴衆を置き去りにしかねない危機感と憂いを鋭い感性で回避し人間の本性が持っている抒情への本能的な回帰を目指す。
感性に触れる音楽。
1+1=2ではなく、2=∞の方向性。
音楽評論家諸氏の固定的評価を拒む価値観。
音楽は進化したか?
それを聞くものの圧倒的多数の望みどおり深化したか?
近代的叙情性や現代的それのすぐ隣にボクは大バッハの明晰で断固とした人間の感性へのゆるぎない確信を聴いてしまう。
2=∞の中にそれは穏やかに聞くものの肌を粟立てる。
たとえば『愛』という文字の背後にはそれを捉えている視覚をもつ個々の人間の経験や文化の集約があり、『愛』という言葉のその集約された感性を伝え、共鳴させるために演劇は役者の声、マイム、音楽、物語さまざまな要素で提示する。
音楽自体もまた聴覚に対し、ある瞬間は絵画的にある瞬間は体験的にあるいは、もっと本能的で原始的な感情に共鳴させる。
理解するということは『理解』という言葉によって掬い上げている成果の多くをその指の間から零しているのではないか。
『理解するけれど、嫌いだ』という評価はその人の感性が最終的に知的な作業の埒外にあることを示している。
表現力に限界があるね。うまくいえない。

ヴァンサン・ダンディ/ピアノ五重奏曲ト短調op.81

第1楽章 アッセ・アニメ 
第2楽章 アッセ・アニメ
第3楽章 レント・エ・エクスプレッシフ
第4楽章 モデレメンテ アニメ

第1楽章をYouTubで

D'indy: Piano Quintet Op.81

D'indy: Piano Quintet Op.81

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Marco Polo
  • 発売日: 1995/10/24
  • メディア: CD


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Blogの中の猫たち-178 [Blogの中の猫]

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猫も夢みる 
yumineko さんちのタンタン(君か?)

yes_hama さんとこのアズ君そっくりである。

タンタン。耳の形がちょっとアメリカンカールっぽいんだけど、そうなのかな。
長毛の黒猫さんは独特の雰囲気があるね。

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アズ君と同じくブラックオックス(鉄人28号に出てくる真っ黒なロボット)の目の形をしているけれど、
こちらは光に良くあたっているのか針のような絞の利いた虹彩をしている写真が多い。

yumineko さんは司修さんのファンでブログで挿絵風の猫の絵を拝見したことがある。


佐野洋子さん風の猫の彼女の個性とは違う優しい目のイラストが目をひく。
昨年海外テレビ向けの童話の挿絵を描くチャンスがあったのだけれど、結局自分の個性を壊して描くことができなくて残念ながら諦めたけれど、あの話にはこういう絵柄が似合ったかもしれないなあ。

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”ジャングルの中でトラに乗った” 01

彼女のうちには三毛さんもいてそのうち仕上げようと思っているけれど、このごろの忙しさと寄る年波で処理能力が追いつかない。
「史記」に手を出して読み始めて余計に時間がなくなっている。
眠くなるのが早いし、困ったもんだね。

ブログ猫178回目だね。
タンタン君でした。

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音楽はラフマニノフの楽興の時作品16の第1曲タンタン君のイメージには合わないかもしれないけれどね。
あくまで描いていたときに流していた音楽だから。
ベルマンのピアノでどうぞ。見かけからロマンティックな演奏でヴィルトゥオーソっぽく見られがちだけれど、意外なほどインテンポです。





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