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復活! できるかなぁ… [音楽]

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もう何年もブログを触ってなかった。お馴染みさんにも不義理をしたまま、時折こっそり訪問したりしてはいましたが。
休止したのにはいくつかの理由があったのだけれど、時は一方向に流れて元には戻らない。
いくつかの悲しい出来事があり、苦しみがあり、悩みをしょい込んだり、しばしの幸福感に浸ったりした。
で、もう僕は64歳になっていた。
文字の上では年齢はさほど気にしないが、流れて行った年月の間には長女の結婚があり、父の死があり、自分自身の体の不調(股関節の変形による痛みの連続)があり、あれがあり、これがあった。
解決のつかない問題も抱え、介護に明け暮れ、妻もまた自身の父親の病に我が家の母の介護を背負い、日々お互いにそれぞれの感受性をすり減らしてきた。
ようやく母を同じ市内の施設で受け入れてもらい、妻の父、私の義父の病も明るい兆しが見えてきた。
一人前にならぬ息子とぶれない生き方で、そろそろ疲弊した脛にかじりついたままの次女を引きずりながら、それでも前に進んでいる子供たちを遠くに見ながらよたよた歩いている。
ある日、バッハを聞いた。
カーオーディオではあまり聴かない類の曲だけれど、凝縮された数年の空白のいろんな隙間にそれはひっそりといくつかは大胆に感性を刺激してくれた。
もう一度ゆっくり始めようと思えるように気分が変わったのは、これを聞いた日の朝、今の仕事に退職願を出した時からかもしれない。
絵の仕事も投げていた。文章も錆びついた。
川の中にわずかな砂金の可能性を信じて冷たい水の中に両手を浸す気分だけれど、何か高揚するものがある。
少しずつブログの体裁を変え、次の仕事にも備えるきっかけを作り、少しずつ曲がった腰を伸ばしてゆこうと思う。
できるかわからないけれど、今度は後期高齢者になってもよたよた続けて行こうと思っている。
とりあえず、周りは変わってしまっただろうけど、元居た場所に釘とトンカチを持って立っていけるような気がしています。






様変わりしたYouTubeでその曲を見つけました。


 1908年に当時のソヴィエト連邦に生まれ、70年後の7月14日に没した。ユダヤ人敵視政策をとり続けた政治体制下で不遇のまま没した。でも、その柔らかで凛としたピアニズムには奪うことのできない心の高さがある。


 


マリア・グリンベルク


 J.Sバッハ/パルティータBWV990からサラバンドと変奏


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