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Blogの中の猫たち-190 [Blogの中の猫]

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黒猫の怪しさ

 235.gif みかんとはちみつ 黒猫のチイ

日差しが白く映りそうなほど明るい場所に暖をとっている。
針のような瞳孔が日差しを弾きながら見るべきものだけを鋭くとらえている。
眼光紙背。
眺めるこちらの気づかない心の行き止まりのさらに向こう側まで貫くように感じる。
近寄るものに対して決して敵対しているわけではないだろうけど、こういう目でじっと
見据えられると長年家族として一緒に暮していても踏み込んではいけない自我を感じさせる。
僕は犬が示す親密さも大好きだけれど、こんな一面を普通に垣間見せる猫に対峙する緊張感も好きだね。
その人が自分を理解し、自身が理解し受け入れている存在であるとき、彼は一歩踏み込んだ人間に対して
あっという間にしなやかに身を反転させ、全身で甘える仕草をみせる。
もし僕がそのプライドのラインの中に一歩でも足を踏み入れたとしたら
くったりと伸び切ったその姿態は瞬時にしなやかな筋肉の躍動を見せ、たちまちその場から消え失せる。
つまり、逃げちゃうんだね。
向こうにも多少は好奇心があるだろうから、姿形が一瞬で見えなくなるほどではないだろうけど…
飼い猫と野良猫の違い

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案外それは≪猫≫という生き物の普遍の日常を人間の方で勝手に切り取って別の角度で眺めているに過ぎないんじゃないかと思えてくるね。
怪しくて妖しくて癒される。
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ジャポニスム2018記念 ≪衣-koromo≫ [音楽]

日仏友好160周年に当たる2018年にパリを中心に « ジャポニスム2018 - 響きあう魂 »と銘打ち日本文化を紹介する大規模な企画があります。
残念ながらボクの田舎ではないけれど、同じ四国の高松の四国村ギャラリーでは、日本国内の日仏友好事業として、パリ、友情を織る会 - Amitiés Tissées – を主宰する田部淑子氏の企画による染織作品のグループ展を開催します。
そして、本企画展は2015年にパリで開催された≪衣-koromo≫をベースにしています。
パリ在住の作家たちは日本文化から多くの着想を得てそれぞれ、独自の形で自身の作品に投影しているようです。
企画は4月27日(金)から6月17日(日)ですが5月20日にはShukuko Voss(田部淑子)とアーティストたちのトーク・シンポジウムがあります。(定員50名ですが)
お好きな方は是非!
ちなみにShukukoVossは僕の母の妹に当たります。
年令的にもずっと上なのですが、人間力はちょっと敵いませんね。
今更ながら僕も老け込んじゃいけないと思います。
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不安と祈り [音楽]

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サミュエル・バーバー/Agnus Dei op.11


弦楽四重奏曲からの弦楽のためのアダージョとして有名。

順番としては弦楽四重奏曲第1番op.11の第2楽章であったこの曲を自身が弦楽合奏のためのアダージョとして編曲した。

そしてベトナム戦争を経験し、戦争に対する自らのスタンスを音楽で示すものとして1967年に作り直されたのがこの無伴奏合唱曲「アニュス・デイ」。

1967年といえばベトナム戦争が泥沼化し、多くのアメリカの若者が命を散らしていた時期。

 後にこの曲自体はカンボジア内戦を背景に描かれた1984年制作の英国映画(The Killing Fields)の中で主人公がフィールド一面に白骨が敷き詰められた象徴的な死の原野の中を彷徨うシーンで使用され、その音楽はその映像とともに静謐と絶望と平和への渇望の交差した情景を浮き上がらせていた。

ニューヨーク・タイムズ記者としてカンボジア内戦を取材し、後にピューリッツァー賞を受賞したシドニー・シャンバーグの体験に基づく実話を映画『キリング・フィールド』は、1984年のアカデミー賞において、助演男優賞・編集賞・撮影賞の3部門受賞を受賞。

東京で司法浪人をしている時代、僕は親友のアパートに何か月か転がり込んでいたことがあり、その彼が留守の間、何気に午後までテレビを見ていて、その映画の予告編だか解説だかを観た。

その時、その音楽はそこに繰り広げられる真っ白い骨の原野をサクサクと踏み崩しながら、生きるためにひたすら進む主人公の狂気と生への渇望と死への慄きを慰撫するように歌われていて、僕はその静謐の調べに内耳を貫かれていた。

当時はまだパソコンが普及している時代ではなく、サミュエル・バーバーという散髪屋みたいなアメリカの作曲家のことなどほとんど知らなかった。

知らなかったからこそ、裸の耳で感じたものが今の今まで深々と脳裏に刻まれて残っている。

そしてその旋律をそのまま肉声に載せたのがこのアニュス・デイ。

このアニュス・デイは 神の子羊(イエス)を唱った祈祷文でレクイエムによく聴かれるが、バーバーは作品11の合唱曲として残した。

誤解を恐れず、平たく簡潔に言えば悲惨と空虚と無意味を目の当たりにしてたくまずして口にするときの『Oh! My God』の祈りである。







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