娘とかば [雑考]
ボクの変わり者の子供達の真ん中の娘は、気は優しくて力持ちで、長男が残していった、根性とか負けん気とか多感さをすべて拾い上げて生まれてきたようだ。
その子が今中学三年生で、進路を決めようとしている。頭が悪いわけじゃない。勉強嫌いなわけじゃない。でも、彼女は周りの友達と全く違う道へ進もうと悩んでいる。彼女が目指すのは「動物のお医者さん」それも犬猫のじゃない。
小さい頃から、彼女は動物が好きだった。生き物に対する慈愛は人間とゴキブリ以外のすべてに注がれ、形の大小を問わずその姿勢は今もぶれない。
この写真はがイエスと同じ日に生まれた3歳の彼女を動物園に連れて行ったときのものだ。彼女はカバが好きで、抱き上げなければいつまででもこの姿勢のままカバを見ていた。
中学2年の時、彼女の中学校では校外教育として街のあらゆる仕事場にそれそれが希望して数日間仕事を体験しに行く。図書館や、スーパーマーケット、パン屋にコンビニ、魚屋に喫茶店等々。でも、彼女が選んだのは畜産試験場だった。彼女は数日間のその職場での体験をレポートにして提出するために私に見せた。一日目「ニワトリが可愛かった。」二日目「ウシが可愛かった。」三日目「ウサギが可愛かった。」四日目「ブタが可愛かった。」………何でもいいんだな。筋金入りです。
彼女の行きたいように道を広げてやりたい。でも、たいへんだね。畜産獣医学科のある大学に行きたいと考える彼女は、今フツーの女の子をひとまとめにして受験で括ろうとする事なかれ主義の公立中学の教師に、進路と明確に目指される一つの個性の将来を考えさせている。
そして、ボクや妻はどっから飛んで来るか判らないパンチに身構えたまま緊張しているボクサーみたいに、愛すべきこの娘の挑戦を支える術を探している。
がんばれ!
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