記憶に残るただ1曲-1 [音楽]
ヴィターリ/シャコンヌト長調
バロック期のイタリアの作曲家トマソ・ヴィターリの名はこの『シャコンヌト長調』一曲で知られている。
独奏ヴァイオリンと通奏低音のための作品とされるこのシャコンヌは、低音部がト調~ヘ調~変ホ調~ニ調と4度下降するオスティナート・バスをくり返し、その上でヴァイオリンがメランコリックな8小節を歌う。
以後、独奏ヴァイオリンのへんそうが続く。ものの本に拠れば、当時(1700年代)既に知られていたボウイングテクニックや左手のあらゆる技巧が駆使されているという。
ロマンティックな色合いが濃く、その情熱的な色彩や振幅の大きな歌の揺らめきはヴィターリが生きたバロック期より、ずっと後の作家の手によるものではないかとも言われているそうだ。
それにしても、バッハのシャコンヌが楽曲の一部でありながら禁欲的な美しさと普遍性を持ち、永遠の名曲との地位を獲得しているのに対して、このイタリアの作曲家の世俗的な美の感性はやはり、カンタービレの国の作曲家であると思わずにはいられない。
この一曲だけのCDっていうのはないけど、同じバロック期の作品であるタルティーニのト短調の有名な「悪魔のトリル」ソナタと一緒に入ってることが多いね。
ヴィターリに影響を与えたと言われるコレッリなんかも一緒だね。
- アーティスト: ミルシテイン(ナタン),ベートーヴェン,モーツァルト,タルティーニ,コレルリ,ヘンデル,ヴィターリ,コンサート・アーツ管弦楽団,ポマーズ(レオン),バルサム(アルトゥール),フィルクスニー(ルドルフ)
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 1999/09/22
- メディア: CD
悪魔のトリル~ヴァイオリン小品集
- アーティスト: シェリング(ヘンリク), フランチェスカッティ, クライスラー, ハイフェッツ, ヴィターリ, タルティーニ, グルック, シューマン, ハルフテル, ヴィエニアウスキ, ライナー(チャールズ)
- 出版社/メーカー: BMG JAPAN
- 発売日: 2007/11/07
- メディア: CD
- (いい演奏です!)フランコ=ベルギー派のヴァイオリンを堪能できます。
記憶に残るただ1曲・・・
カンタービレの国の作曲家トマソ・ヴィターリ シャコンヌ。
知りませんでした。
G-F-Es-Dのバス下降・・・バッハをイメージしますが、たぶん抑制的に使用されていないのでしょうね。
大変興味深い情報をありがとうございます。
by ake_i (2007-11-30 09:33)