室内楽の宇宙-天才プーランクの冗談半分 [音楽]
プーランク/クラリネットソナタ
第1楽章:アレグロ・トリスタメンテ(アレグレット)
第2楽章:ロマンツェ
第3楽章:アレグロ・コン・フォーコ
標題は冗談半分だけれど、彼の才能の開花とデビューの凄まじさはまさに超一級だった。
ロシアバレエ団の主宰者ディアギレフに委嘱されて作曲したバレエ『牝鹿』の音楽は脚本ジャン・コクトー。
舞台・衣装マリー=ローランサンという豪華な顔ぶれで、コクトーのサロンに出入りする才能豊かな人々がよってたかって作ったという感じの作品に大きな花を添えた。
小さい頃から音楽の天才を披露していたいわゆるモーツアルト方の才能の持ち主。
様々な分野に無視できない作品を残している。
ボクはピアノ協奏曲(2台のピアノ用も含めて)を好んで聞くけれど、このクラリネットソナタを聴いたときは第1楽章で笑いました。
モーツアルトの歌劇『フィガロ』の有名な歌を完全にパロッテいてまじめなだけによけいに面白かった。
ところが、程なく、第2楽章のロマンツェに移るとその冗談は突然物静かなリリシズムに変わり、サイケデリックな緞帳が落ちて突然ブルーのグラデュエーションに変化したような色合いで、また驚かされる。
この楽章は美しい。
でも、どこからかブラームスの第3協奏曲が聞こえてきそう…
ピアノの入り方が独特の存在感を示していて印象的ですね。
第3楽章のもの凄いテンポの変化。
プーランクの音楽はギャグが詰まっていて、その中に彼の持っているノスタルジックな部分や意志的な冗談の創造、抒情的な感覚の鋭さが絶妙に配合されています。
彼は純粋音楽に向かいつつも、聴衆を忘れなかった作曲家です。
- アーティスト: メイエ(ポール),サン=サーンス,ショーソン,ドビュッシー,ミヨー,プーランク,オネゲル,ル・サージュ(エリック)
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2002/06/21
- メディア: CD
- アーティスト: ライスター(カール),プーランク,サン=サーンス,ドビュッシー,ヴィドール,ミヨー,フランセ,ボーグナー(フェレンツ)
- 出版社/メーカー: カメラータ・トウキョウ
- 発売日: 2004/10/20
- メディア: CD
- アーティスト: レヴァイン(ジェイムズ),プーランク,シュルツ(ヴォルフガング),ライスター(カール),トゥルコヴィッチ(ミラン),ヘーグナー(ギュンター),シェレンベルガー(ハンスイェルク),アンサンブル・ウィーン=ベルリン
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2004/12/08
- メディア: CD(生誕百年で出されたものですがこれはオススメですね。)
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