昔のトカゲ-陸編3 [仕事の雑記帳]
優しき草食系
ディクラエオサウルス
アフリカ(タンザニア)のジュラ紀後期の地層からその骨格が発見されている。
推定全長13メートル。
カミナリ竜と呼ばれる竜脚類の中ではアマルガサウルスやレバッキサウルス(何の事やら判らないお方も多いことでしょうが)と同じく首が短くて首や背骨に高く二又の突起があり、帆がかかったように見えるほどではないにしろ、かなり背中が高い恐竜である。
アマルガサウルスの背骨の突起は先端が尖っていることから皮膚の下にある骨という感じではなくて、背中から骨が突き出たように描かれることが多いけれど、ディクラエオサウルスにはそのような攻撃的な表現がされない。
ぼーっとして温厚。水辺に生える苔や藻を食べていたのかも知れない。
当然寄生するダニや蛭の類が体についているだろうから、それを掃除する小さな鳥のようなプテラサウリア類を何羽か背中に乗っけて、鞭のようにしなり、猫の尻尾のようにくねくねと自由に動く尾の先端からピシッ、ピシッと空気を叩く威嚇音をささやかに発てながら、ゆった、ゆったと歩いてゆく。
そんな姿を想像してしまいます。
争わず、駆けず、高ぶらず。
物憂げに反芻しながら仲間を見渡し、互いの安全を確認しつつ、また食事。
良いかもしんないね。
ところでこの仲間も目の上に鼻腔が空いている。
だけど、収斂進化を考えても骨に空いた穴の上にダイレクトに鼻の穴が空いている動物をボクは見たことがない。穴から皮膚の管を通って鼻腔が前にあれば、そこからラッパのような音も出る。眼の少し上に鼻の穴が空いてるなんて動物、不自然だよねえ。
水の中で役立つという意見もある。
そう考える論拠になるのは現代の水陸棲の動物で鼻を水面に出して呼吸する類の生き物の骨に眼窩の少し上に鼻腔が空いている頭骨を持ったものがいないからだろうね。
どっちが正しいんだろうか。
ボクはどっちが自然に見えるかで描き方を変える。
ディクラエオサウルスは口元まで引っ張った。
あくまでも想像図であって復元画ではないのだから。
実際の生物のことも踏まえて想像しながら 描かれるのですね^。^
by デルフィニウム (2010-01-07 09:03)
お早うございます。
恐竜も草食系は優しい顔をしていますね。目が優しい〜
by yakko (2010-01-07 10:05)
なかなか愛嬌のある眼ですね。
by aranjues (2010-01-07 10:33)
おはようございます。
恐竜の姿を何気なく見てましたが、ご自分で描かれるんですか?
すごいですね。
それと実際にそこに居るみたいなリアルな解説、うれしい限りです。
by matcha (2010-01-07 10:55)
子供の頃、上野の博物館に通っていたのを思い出しました(^O^)
by アヤメセブン (2010-01-07 11:15)
すごいですね。
動き出しそうに見えます^^
by abika (2010-01-07 13:21)
草食と肉食は描き方が違うのでしょうね。
by SilverMac (2010-01-07 13:47)
シッポがスーっと細くなっているんですね・・
シュッシュッと過敏に動きそうです・・・
by oko (2010-01-07 15:57)
すごい、かっこよくて優しそうですね。
by のりっぺ1号 (2010-01-07 16:56)
もしゃもしゃと草を食べている様子が
すごく想像できます^-^
by リュカ (2010-01-07 18:58)
皆様。いつもながらnice&コメントありがとうございます。
草食系でもこうでかいと体に相手を警戒させるような派手な色や模様は不必要だから、どうしても地味になりますけど、現代のゾウやカバに地味な色が多いのも派手にする必要がないからだと言われています。
草食系の恐竜を描くときの眼は、基本的にカエルや山羊、ヒツジの眼を参考にします。
by Mineosaurus (2010-01-07 21:02)
お褒めのコメントありがとうございます。
たまには記事で紹介してみようかと・・・思います。
by STEALTH (2010-01-07 21:15)
大変遅くなりましたが、
あけましておめでとうございます!
今年もどうかよろしくお願いいたします^^
by まいまい (2010-01-07 22:18)
リアルですね。考証も難しいものですね。同じような生物がいないということは二つ考えられますね。そういうタイプの生物は元来いなかった、元来はいたが不都合があるため絶滅もしくは変異した。そういうことを考え始めると、生物の進化の歴史は楽しくなりますね。
by yukikaze (2010-01-08 12:38)