マイナー・ピアノ協奏曲-24 [音楽]
ダリウス・ミヨー/ピアノ協奏曲第1番op.P127
かなりマニアック。2台のピアノのための協奏曲やチェロ協奏曲ほど露出度は高くない。
現在のカタログを見ても、ジョリヴェらとともに現代音楽のジャンルに入れられているが、さほど難解でもない。
肩の力が抜けていて結構いい。
プロヴァンスの陽の光と風の匂いを感じさせるような佳品だ。
ボクの聴いているのは1964年にミヨー自身が指揮するパリ音楽院管弦楽団(パリ管の前身)フィリップ・アントルモンのピアノです。残念ながらこの組み合わせはいまのCD のカタログには見つけられなかった。
この曲のオーケストラパートには今風の楽器ではない色彩感が欲しいけれど、いまではそんな素晴らしきローカリティを持ったオケはないのかもしれない。
第1楽章は何処かで聴いたような人なつこいテーマがピアノ・パートにくり返し顕れる。
第2楽章はファゴットから徐々に管楽器が増えてゆく中をピアノが抑えるように木訥な歌を聴かせる。弦楽器に通奏が移ると抒情的な語り口は木漏れ日の差し込む深い森で戯れるニンフのような表現に進んでゆく。戯れは唐突に終わり、フィナーレはピアノ技巧を披見させながら器楽が一つずつピアノを支える。メロディーは線であり、ピアノはその上を自由に歌って行く。短い曲ですが、繰り返し聞くとスルメみたいにじわりと味が出てきます。
Darius Milhaud: Complete Piano Concertos
- アーティスト: Darius Milhaud, Alun Francis, SWR Radio Orchestra Kaiserslautern, Michael Korstick
- 出版社/メーカー: CPO
- 発売日: 2007/01/30
- メディア: CD
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