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室内楽の宇宙-ブルッフ/ピアノ三重奏曲ハ短調 作品5 [音楽]

3曲のヴァイオリン協奏曲、チェロと管弦楽のための「コル・ニドライ」なんかで知られているマックス・ブルッフは、室内楽の分野ではマイナーな人で、またしてもボクは、そっちの方向に行ってしまいそうなのですが、この辺の曲の選択は、学生時代の乱読乱聴の頃、ワインと同じように作曲家の知識などなく、先入観なしで聴いた耳の記憶です。
ブルッフは確か4曲ほどピアノ三重奏曲を書いているはずですが、1番から3番まで番号付きで呼ばれているものは以前の作品で、確かこの作品5は番号がなかったけど、作曲は1857年で一番古かったようです。
ボクの大好きなヴァイオリンのためのスコットランド幻想曲を書く23年前、彼が到達していたレベルがよくわかる作品です。
新鮮なヴァイオリンパートの扱いピアノがやや隠れ気味ですが、弦楽の美しさは緩・急どの楽章にもブルッフらしい語法が観られ、軽快で熱があります。
20分に満たない短い曲ですが、一気に聴いてしまえる佳品ですね。
劇的な印象のあるハ短調の第1楽章はヴァイオリンとチェロの大家の作品らしい緻密なからみで「おおっ!」と思う。
ピアノも節度を持っていて背景に徹していながら美しくからむ瞬間があります。
第2楽章の歌謡性のあるピアノの歌にヴァイオリンとチェロが静かに寄り添ってゆくところはブラームスを思わせます。
決してもたれるところがなく風通しも良い。ロマンティックですが気品があります。
第3楽章はピアノが力強く劇的な入り方をし、前面に出ます。
しかし、ヴァイオリンのパートチェロのパートの技術的なレベルは非常に高度で、非常に協奏曲的です。
見事な一品でもっと聴かれて良いのにと思いつつ、久しぶりだったので立て続けに3度聴き直しました。

これのみのCDというのはなくて、いくつかはブラームスをはじめ他の作曲家のピアノ・トリオとカップリングされています。
はじめて聴いたのはモノラルでしたが、トリオの名前は忘れてしまいました。
今聴いているのはベルリンのトリオでドイツのマイナーレーベルの勇THOROFONから出ているものです。


http://www.hmv.co.jp/product/detail/271278
興味のある方はいかがでしょうか。
他にもこんな演奏家も取り上げていました。



Brahms, Bruch: Piano Trios

Brahms, Bruch: Piano Trios



  • アーティスト: Johannes Brahms, Max Bruch, Arensky Trio
  • 出版社/メーカー: Antes
  • 発売日: 2000/07/25
  • メディア: CD



Piano Trios: Clara Schumann, Bruch, Dvorák

Piano Trios: Clara Schumann, Bruch, Dvorák



  • アーティスト: Max Bruch, Antonin Dvorak, Clara Wieck Schumann, Yuval Trio
  • 出版社/メーカー: Romeo Records
  • 発売日: 2004/05/25
  • メディア: CD


 



 


 


 

 


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