室内楽の宇宙-シューマン最初の弦楽四重奏曲 [音楽]
シューマン/弦楽四重奏曲第1番イ短調 op.41-1
第1楽章 Introduzione: Andante espressivo - Allegro
第2楽章 Scherzo: Presto - Intermezzo
第3楽章 Adagio
第4楽章 Presto
シューマンの作曲の傾向というか、自分が感銘を受けたり、頭の中に溢れてくるインスピレーションには周期があるみたい。
1840年は「歌曲の年」
翌年の1841年からは、古典的な形式美に彼の心は突き動かされる。
交響曲というテーマを彼は追い始める。その狭間にあって1842年は「室内楽の年」と呼ばれる。
その年、彼は6月から7月にかけて立て続けに3曲の弦楽四重奏曲を書いた。
2曲の草稿以外はそれが全てであったようだ。
ハイドンが確立し、ベートーヴェンによってプロフェッショナルが演奏会で発表するに足る、緊密で、思索的なアンサンブルとされ、後期の作品の内省的な世界は後の作曲家にこのジャンルに手を付けるのをためらわせるほどの完成度に至った。
その弦楽四重奏曲孤峰の隣に、立て続けに書かれた3曲と2曲の草稿を残しただけで、シューマンは二度と弦楽四重奏曲を書かなかった。
これはブラームスのように常にベートーヴェンの陰に気後れしていたのではなく、もっと精神的な問題であるように思える。
シューマンはこれ以後ピアノと弦楽のアンサンブルに興味を移してしまったのだろう。
ピアノはやはり彼のフィールドであり、愛するクララのフィールドなのだ。
作品41の3曲は後になるほど書法的には安定している(当たり前か)。
でも、この第1番はドイツ的と言うよりもボヘミアンを思わせるようなロマンを漂わせる。アダージオは綺麗ですね。
ボクが聴いているのはヴィア・ノヴァSQの海外盤ですが、邦盤でありました。
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