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映画の値段 [Movie]

今でも覚えているが、映画の値段が1,000円に跳ね上がったのはジョーズの封切りからだった。
ボクはそれを上野で見た記憶がある。前売り券を買ってあって聚楽で昼飯を食って、ワインの卸販売店で店長とだべって、時間を潰した。何でこんなに高いのだろうとぶつくさ言っていたが、特別料金とか銘打っていた。
その時のCICコーポレーションは、「話題作だから」とかいう理由を挙げていたけれど、結局それから映画の値段は全く下がらなかった。
制作費が高かったということもあるだろうけれどね。
この映画は試写券が珍しく手に入らなかった。(ボクは当時娘の家庭教師をやっていた第1勧業銀行の銀行員からほとんどの試写会の招待券を手に入れていた。)
それだけ話題性が高かったということかな。
アメリカン・グラフティーでファンになったリチャード・ドレイファスや
他にロッド・スタイガー、ロイ・シャイダーという個性派が主役だったのも金を払って観にゆく気にさせたところだった。
結果は…忘れた。
退屈はしなかったし、第一作は見事なまでにバランスのとれた作品だった。
その後これでもかと続く、第2作以下の作品は残念ながら見るに耐えられなかった。
ホオジロザメの恐怖は名前が付くまでの段階、名前が付いてからの出現の緊張、恐怖が具体化したシーンのリアルな技術と明確に分けられており、第1作は全てがピタリと填っていた。
でも、第2作以降は最も人間を不安にさせる得体の知れなさがはじめからないんだから、恐怖の質が違っているんだね。
良く例に出されるけれど、ライオンもまだ名前が付いてなかった頃は、暗闇で音もなく忍びより、突然巨大な爪と牙で襲いかかる魔物だったけれど、ひとたびライオンという名前がつき、その名で象徴される大型の猫科の動物になってしまうと、
具体的危険に堕落してしまって、神秘性を失ってしまう。
同じことだね。
2作目以降はでかいのがあたりまえのホオジロザメと勇気ある人間の狩るか狩られるかのドラマになってしまった。
1作目の1,000円には文句はなかったが、値段が固定化されるような危惧は存在し、不幸にしてそれは当たった。


以後の話題作だった「未知との遭遇」第3種接近遭遇=Close Encounterは試写券で観に行った記憶がある。
この作品もリチャートド・レイファスが主役だった。


未知との遭遇【ファイナル・カット版】

未知との遭遇【ファイナル・カット版】

  • 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテイメント
  • 発売日: 2006/02/01
  • メディア: DVD



この作品はもう、1,200~1,300円になっていたのではないか。
今はシネコンで予約はクレジット決済なので昔の話になってしまったけれど、最近の映画、面白いのがあるんだけど、何度も見ようと思わないのは何故だろうね。
映画の問題じゃなくて、世知辛いけど値段の問題だろうか。
二度目はDVDになってしまう。
でも、二度目、三度目辺りでようやく勘の鈍いボクは映像の行間を読むことになる。
DVDは鑑賞が自由すぎて、映画ではなくなってしまう。ボクなんか途中で仕事するわ、電話で話するわ、子供に説教するわ、寝転がって観るわ…で、制作者が見たら張り飛ばしたくなるだろうね。


行って、払って、観る。これが大事なんだね、諸君。


ジョーズ

ジョーズ

  • 出版社/メーカー: ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
  • 発売日: 2006/09/21
  • メディア: DVD



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こいし

こんにちは♪
私が記憶にある頃からすでに1000円はしてたと思いますけど(記憶力に乏しいのでさだかでは‥)、この近所の映画館では毎週金曜日レディースデイで、1000円でみられたので見たい映画があるときには無理してでも金曜日に見に行ってました。
でも、2・3年前につぶれてしまってからは一度も映画館で映画を見てません。
交通費までかけると結構なお値段になってしまうので、躊躇しているうちに上映が終わってしまうのです。
で、DVDや録画オンリーになってしまいました。
でも、たまにはあの迫力で映画が見たいなーと思っています。
by こいし (2008-01-05 17:25) 

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