ファリャの交響的印象 [音楽]
ファリャ/交響的印象『スペインの庭の夜』
レスピーギの組曲でもそうなのですが、印象的書法の楽曲というのは、その場所のイメージが何もないところから浮かんでは来ないので、苦手なのです。
こういうのはNHKが強いですね。
いや皮肉ではなく、ホントにそう思います。
名曲アルバムは見て聴くべき美しさを凝縮しています。
ただ、風景が不必要なものもありますけど。
イタリアからスペインの風景の移ろいの中には音楽とマッチする奇妙な空間があります。
景色が音楽のような。
ファリャが書いたアルハンブラの風景にもそれがあります。
フェネラーフェの離宮を望んで、またその離宮からアルハンブラ全体を望み、聞こえてくるアンダルシアの舞踏の響き…さらにコルドバの山の上にそびえるメスキータへと、その日暮れから夜明け…現代の電灯ではない薄明かりの星月夜を経て、黒よりもさらに深い青と緑の重ね塗られた空に山の稜線が分け入りやがてその稜線からほうほうと縹色(はなだいろの)夜明けの色が染みこんでくる。
絢爛たる建築物達の夜の上に吹く熱く乾いた風と流れる時間が音符になる。
印象派の色彩感がファリャの民族的彩りの中に馥郁と薫る。
アルゲリッチのピアノが冷え切らぬ夜の風景をシャープに切り取りながら、決して押し殺していない彼女の感情が抑えた呼吸とともに道案内をしてくれます。
- メディア: CD
第1人者といわれるラローチャの福徳円満なピアノはボクにはどうも苦手です。
何度も書きますがコレは録音のせいで、彼女のピアノのせいではないかも知れないけれど。
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