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悪魔のトリル [音楽]

ジョゼッペ・タルティーニ/ヴァイオリンソナタト短調op.5-2

tn.jpgバロック音楽の福徳円満さは苦手でボクはあんまり、聴かないんだけれど、NHKのFMラジオで講義に送れそうなボクの足を引きとめたのがこの曲だった。いきなり耳に飛び込んできたダブルストップのトリルの乱舞。
「何じゃこりゃ?バロックかこれ?」ッてな感じだった。
フレーズの閉じ方なんかは紛れもないイタリアン・バロックです。
決して妖しげなものではなくて、現代のヴァイオリンの技術的水準からでも結構な弾き堪えの曲だと思います。
教育者であり、バロックヴァイオリンの巨匠であったタルティーニは協奏曲とソナタをたくさん残しているけれど、屈託なく楽しめる商品が多いソナタは聴きやすくて和む。
でも、この曲は異様に凄いね。ご本人からの逸話だが、ある夜寝ていて夢に出てきた半獣半人の悪魔が弾いていた曲を飛び起きて忘れないうちに書き留めたものだという。
先生、夢の中のことだから、その大半を忘れてしまって本当はもっと凄かったと言いたいらしい。
なるほど、この曲の第2楽章部分は夢で弾かれたらやかましくてちょっと目を覚まさずにはいられないだろうね。
タルティーニって言う音楽家はどちらかというとジャージーなスピリットを持っていて、楽譜にあまり拘らなかった人らしく、吹き上がってくる音楽のインスピレーションを弾くことの方が好きで書くことは二の次だったようだ。
だから、楽譜の完成度は低く信憑性に乏しい。
でも、この曲には紛れもなく、彼の脳髄の中に蓄積されていた彼自身の音楽の豊かさと斬新が発露されている。
それが『悪魔』の名を借りているにしても…です。
ご尊顔はちょっとパガニーニに似てるか?それほど悪魔的じゃないか…

悪魔のトリル~ヴァイオリン小品集

悪魔のトリル~ヴァイオリン小品集

  • アーティスト: シェリング(ヘンリク),ヴィターリ,タルティーニ,グルック,クライスラー,シューマン,ハルフテル,ヴィエニアウスキ,フランチェスカッティ,ハイフェッツ,ライナー(チャールズ)
  • 出版社/メーカー: BMG JAPAN
  • 発売日: 2007/11/07
  • メディア: CD
バロック・ソナタ集

バロック・ソナタ集

  • アーティスト: グリュミオー(アルテュール),タルティーニ,コレルリ,ヴィターリ,ヴェラチーニ,カスタニョーネ(リッカルド)
  • 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 1998/02/05
  • メディア: CD
タルティーニ:悪魔のソナタ

タルティーニ:悪魔のソナタ

  • アーティスト: マンゼ(アンドルー),タルティーニ
  • 出版社/メーカー: キング・インターナショナル
  • 発売日: 1998/06/26
  • メディア: CD
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