メンデルスゾーン ChemberMusic-7 [音楽]
メンデルスゾーン/ヴィオラソナタハ短調(1823-24)
第1楽章 アダージオ-アレグロ
第2楽章 メヌエット(アレグロ モルト)
第3楽章 アンダンテ コン ヴァリアツオーニ
1809年に生まれたメンデルスゾーンが1823年から24年にかけて作曲した作品。
習作といえばそうなのだろけど、15歳で?
確かに楽曲全体としてヴィオラとピアノのバランスはよろしくない。
はっきり言えばヴィオラ伴奏つきピアノソナタといった方がいいかも知れない。
シュトルム・ウント・ドランク(疾風怒濤期)のハイドンを思わせる序章からヴィオラの旋律線がベートーヴェンに近づく。
彼がいつの頃からこのボン巨匠を復活させようと研究に没頭したのか僕は知ろうとも思わないけれど、そこここにベートーヴェンへの憧憬が見え隠れする。
しかし、その曲には未消化を思わせるものはなく、真似で終わらない歌の豊かさがある。
特にバランスからいえばヴィオラという中途半端な楽器の難しさを把握し切れていないぶんだけ、ピアノパートの素晴らしさが目立つ。
本当に美しい。
思わずヴィオラソナタであることを忘れてしまう部分がたくさんあり、特に第3楽章の終盤、ピアノがカデンツァのように独奏される部分の躍動とロマンティックな響きにはこのままずっと続けて聴いていたいと思ってしまうほど爽やかなそして十分に情緒を湛えた美しさがある。前半のヴィオラとのバランスは均等ではないがようやく歌う楽器のヴァイオリンの眷属としての特質が聴き取れる。
もっとも、変奏曲スタイルを取りつつ二つの楽器に協奏曲的なスリルのあるやりとりがあるわけではない。
モーツアルトのヴァイオリンソナタのようにピアノは自由に歌う。
ヴィオラの完全な沈黙の中で転調をくり返しながら歌われるピアノの旋律は後のシューベルトの世界を先取りするようなイメージに溢れている。
『ああ、やりすぎたかな、でも、マ、いいや、』とか言って、弾き続けるメンデルスゾーン少年の口元に浮かんだかも知れない微笑み。
もっともヴィオラソナタらしいのは第2楽章かも知れない。
主題をリードするのはやはりここでもピアノだけれど、そのやりとりの中でヴィオラも十分にものを言い続けている。
作品の出来としてどうかといえば、まあ色々あるかも知れないけれど、この美しさを耳にしない手はない。
- アーティスト: パイシュタイナー(クラウス),フンメル,ヴァンハル,メンデルスゾーン,遠山慶子
- 出版社/メーカー: カメラータ・トウキョウ
- 発売日: 2000/10/25
- メディア: CD
Beethoven: Notturno, Op. 42; Mendelssohn: Viola Sonata in C minor; Schumann: Märchenbilder, Op. 113
- アーティスト: Ludwig van Beethoven,Felix Mendelssohn,Robert Schumann,Leslie Howard,Paul Coletti
- 出版社/メーカー: Hyperion
- 発売日: 1997/08/12
- メディア: CD
Mendelssohn: 3 Violin Sonatas; Viola Sonata
- アーティスト: Felix Mendelssohn,Hirotoshi Kasai,Kuniko Nagata
- 出版社/メーカー: Talent
- 発売日: 1999/12/15
- メディア: CD
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by StevhaSe (2020-01-23 23:25)