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若書きの小さな花 [音楽]

リヒャルト・シュトラウス/ピアノのための5つの小品OP.3

これらの曲は彼の輝かしく、長い20世紀までの生涯の中で若い日の彼が咲かせた小さな花であったと言えるかも知れない。
5年後に書かれたピアノと管弦楽のためのブルレスケについては、たしかブログで一度取り上げた気がするけれど覚えていない。
あ、書いてなかったけか?
最近物覚えがとみに衰えてきましてね。
アリセプト(アルツハイマー進行抑制薬)でも飲もうかしら。
この作品では後期ドイツロマン主義のピアノ曲としてシューマンの小品と酷似する。また、ボクは最初この曲をフォーレと勘違いした。
でも、聴いているとなかなか新鮮で、彼のピアノソナタの習作的な匂いもしないし、これはこれでリヒャルト・シュトラウスという管弦楽の大物の小さな一面を聴くことができて良いのではないかと思う。
第1曲 アンダンテ
第2曲 アレグロヴィヴァーチェ・スケルツァンド
第3曲 ラルゴ
第4曲 アレグロ・モルト
第5曲 アレグロ・マルカーティッシモ

第1曲はこれはもう、テーマからシューマンだね。
でもその後の展開は変奏の名手シュトラウスの余裕の手すさびという感じ。子供の情景へのアンサーソングだな。
第2曲もどこかで聴いたぞ、でも、こういう聴き方は余り好ましくない。
当時は楽譜を見ないと直接耳からはいる記録媒体や再生装置はなかったのだから、頭に残っている印象は自分のものだという印を付けにくいものがあるのだろうね。
第3曲のラルゴはロマンティックで劇性に富んでいる。後期ドイツロマン派におけるシューマンの存在は大きかったのだろう。
保守的ニュアンスが強い小品だけれど、結構聴き応えのあるものだと再認識させられた。
余り振り返られることのないこういう曲をよく弾いたのはグレン・グールドやクラウディオ・アラウで、アラウのピアノはコンサートでのアンコールで残っている。レコードにはなっていないんだろうね。
第4曲のテーマはこれも、リヒャルト・シュトラウス自身の発想なのかよくわからない。ボクはどこかで聴いた記憶があるのだが、それが誰の曲であったかはっきりしない。
バスの使い方なんかはシューベルトっぽい。佳曲です。
グールドの演奏はどうも表示のテンポでは弾いていないみたいだ。
何か勝手放題の興の乗り方をしているように思えるけれど、凄く素敵だね。
第5曲のマルカーティッシモはその指示が明確に判る素晴らしい吹っ切れ方をしている。
中間部のちょっとゆっくりした部分でも濁りが一切ないきれいな音が素晴らしい。
なんか、途中からグールドの演奏に引っかかってしまったね。
最後のフーガは独壇場です。

小さな花とは呼べないようなスケールが感じられてしまいました。

Richard Strauss: Ophelia-Lieder, Op. 67; Enoch Arden, Op. 38; Piano Sonata, Op. 5; 5 Piano Pieces, Op. 3

Richard Strauss: Ophelia-Lieder, Op. 67; Enoch Arden, Op. 38; Piano Sonata, Op. 5; 5 Piano Pieces, Op. 3

  • アーティスト: Richard Strauss,Glenn Gould,Elisabeth Schwarzkopf,Claude Rains
  • 出版社/メーカー: Sony
  • 発売日: 1992/11/10
  • メディア: CD

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