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The Singer by J-Min [音楽]



J-Minの『The Singer』を試聴した。
とても素直な歌声。
陽水の『傘がない』…『人生が二度あれば』から、かつて暗く高く湿った虚無的な声で語られた内容が全ての毒を取り去って着替えている。
かつて「さなえちゃん」でデビューしたRCサクセションが生まれる少し前、仲井戸麗二が所属していた二人組の古井戸のイメージを引きずった『スローバラード』。
『白雪姫の毒リンゴ』でデビューし、『綱引き』でボクを彼の詩の世界にどっぷりと浸らせた泉谷しげるの名曲
そして、挫折と帰郷へつながるオフコース…
ボクの青春は彼女が歌う泣き歌よりもまだ古くから泣いている。
でも、彼女の浄化された歌声は全ての癖や、とらわれた思いをリセットして『歌』としてもう一度取り出して見せた。
かつての主が持っていた個性は曲そのものが持つ切なさとは切り離せないものだと思っていたけれど、J-Minという韓国生まれの若い歌うたいの澄んだ湿り気を帯びた清冽な声は、曲そのもののもつ、そこからこぼれ溢れる切なさをピュアな結晶にしてみせた。
美しい演奏はない。美しい曲があるだけだ。ザッハリッヒな表現だけれど、ここではこう言い換えたい。
哀しい演奏はない。哀しい曲があるだけだ。哀しみは透明で純粋なJ-Minの声を通して歌そのものから蘇ってくる。


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