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ヨアヒム・ラフ応援団-13 [音楽]

ヨアヒム・ラフ/ヴァイオリンソナタ第3番ニ長調 OP128

第1楽章 アレグロ
第2楽章 アレグロ・アッサイ
第3楽章 アンダンテ・クワジ・ラルゲット
第4楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ

作品番号が正しければ半音階的ソナタの前年1865年に書かれている。
第1楽章の主題はボクは、ドイツ・オーストラリアの音楽家ではあまり聴いたイメージがなくて、なんかプーランクか何かを聴いているような気がする。
旋律がよく歌うのでブラームスのような重さを感じない。それでも、何度となく繰り返して飽きないのは作り方が丁寧なのと作品の質が上等なのだと思う。苦悩や汗の芯がないという点では師でもあったメンデルスゾーンに似ている。
但し、曲想が似ているわけではない。
ベートーヴェンのような主題の労作に意を集中するなどということもない。
ラフの緩徐楽章はセンチメンタルではなくかといって、暗く沈潜する精神世界がのぞけるというスタイルでもない。
中庸のリリシズムがあり、非常に美しく、起伏に富んでいる。
聴き辛さのない抒情性ということではサロン向きであると即断されそうだけれど、品の良さに救われている。
厳しさというものを彼に求めていないボクとしては、ただただ、彼のメロディラインの美しい取り方に耳を傾ける。
ちょっと他のロマン派の作曲家と作品に対する思い入れとかいう、なんというか考え方みたいなものが違うのではないかとも思ったりする。
室内楽が本来持っている親密な雰囲気を汚れのない生真面目さで包んでいる。この曲はピアノも伴奏から抜け出た協奏的な扱いをされていて、特に第2楽章ではヴァイオリンの紡いだ旋律を追って駆け上がるパッセージがハッとするほど美しい瞬間がある。
ボクはこの第2楽章は好きですね。ピアノがリードする木訥な歌に重なるヴァイオリンが『ラ・フォリア』のような入り方からピアノが奏でた旋律を引っかけながらテーマを広げてゆく。
力のある表現者が二人揃えばかなり感動的な音楽になりそうだけれど、あまりアクが強いと音楽の持つ品が損なわれそうな気もする。
この第3楽章はもう、くり返し何度も聴いてしまった。
途中までどうぞ



祝祭的な終楽章の明るい音楽はしっとりした気分を振り払う。
全体に非常にバランスの取れた作品。

 

 

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icon ヨアヒム・ラフ-Violin Sonata.1, 3, 4: Daskalakis(Vn), Ishay(P) icon

 

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Raff <ヴァイオリンとピアノのための作品全集3> トゥルバン / ネムトソフ icon

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コメント 4

下総弾正くま

お初にお目にかかります。

ブログご来訪&nice!ありがとうございます。

自分もクラシックは聴きますが、ヨアヒム・ラフは聴いたことがないので、今度聴いてみたいと思います。
by 下総弾正くま (2008-12-10 08:48) 

mwainfo

ご訪問有難うございます。ピアノ曲が好きで、ドビッシーをよく聞きます。
by mwainfo (2008-12-10 12:15) 

sakaguti

はじめまして、ヨアヒム・ラフ今度聞いてみます。
by sakaguti (2008-12-10 13:04) 

Mineosaurus

ありがとうございます。初めてラフをお聴きになるのなら、ピアノ協奏曲やチェロ協奏曲がオススメです。
ピアノのためのコンチェルトステュック(小協奏曲)この言葉はラフが初めて使ったものだそうです。はリリカルでとてもスマートな曲です。チェロ協奏曲も名品ですね。
by Mineosaurus (2008-12-10 14:06) 

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