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フライ級ヴァイオリン協奏曲 [音楽]

ラロ/ヴァイオリン協奏曲第1番ヘ長調OP.20

第1楽章 アンダンテ・アレグロ
第2楽章 アンダンティーノ
第3楽章 アレグロ・コンフォーコ

エドゥアルド・ラロはヴァイオリンとオーケストラのための協奏曲を4曲残している。
そのうち3曲は曲名に国の名前がついている。
有名な『スペイン交響曲』をはじめ『ノルウェー幻想曲』や『ロシア協奏曲』がそれである。
これは彼の趣味を示していると同時に、大ヒット作品となった『スペイン交響曲』に続き、二匹目のドジョウを狙った感もなくはない。
でも、この第1番はそんな山っ気もなく、スペイン交響曲のような思い切りもないけれど、1872年に唯一タイトルを冠せずに作曲したオーソドックスな作りの、サラサーテのようなヴィルトゥオーソに捧げられた技巧的協奏曲だと言えるでしょう。
実際にこの曲はスペイン交響曲と同じく、サラサーテに捧げられており、彼によって世に出された曲です。
第1楽章は冒頭から独奏ヴァイオリンがオーケストラの荘重を従えて入ってくる。
パガニーニの自作の協奏曲ほど厚かましくはないにしろ面倒な序奏がなく、いきなり本論に入るサラサーテ好みの作品であったのでしょう。
曲の纏まりは後の作品と比較しても今ひとつで、やや冗長な感じがする部分が聴かれますが、軽快で風のように気まぐれな楽想が不思議な趣を持っています。
ボクは後年の厚化粧よりも、この協奏曲の浮遊感が好きです。
特に第2楽章のアンダンティーノは夜想曲の抒情を湛えた静けさがあり、この辺の巧みさがラロの美点であると感じています。
あまり感じきって弾かれるよりも、曲自体が美しいのだからサラリとやって欲しいところですね。
第3楽章はティンパニさえ己の分をわきまえていればそれなりに淡々としたいいテンポです。
ボクが今聴いているフランス国営放送O.というのは色彩は素晴らしいのですが、ティンパニが張り切りすぎていてどうも辛いです。
てなワケで、第2楽章はオススメの佳作です。

CDはスペイン交響曲の刺身のつまのような録音が多く、巨匠はあまりお好みではないようです。

ラロ:スペイン交響曲&ヴァイオリン協奏曲第1番

ラロ:スペイン交響曲&ヴァイオリン協奏曲第1番

  • アーティスト: ラロ
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2009/03/18
  • メディア: CD


これはオーギュスタン・デュメイのヴァイオリン、ミシェル・プラッソン指揮トゥルーズキャピタルOの演奏でしょうね。カタログに残っているのはこれだけです。

ちなみにボクが聴いているのはジャン=ピエール・ヴァレーズのヴァイオリン。小泉和祐指揮フランス国営放送管弦楽団です。

 

 

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コメント 2

とも

クラシックは聴くのは好きですが。。。知識は0です;;

by とも (2009-02-06 00:01) 

Mineosaurus

クラシックは演歌のようなものです。知識ではなくて好きか嫌いかですね。うん。

by Mineosaurus (2009-02-06 21:42) 

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