淡彩の音楽家 [音楽]
ディーリアス/二つの水彩画より第1曲 レント・マ・ノントロッポ
短い音楽だけれど、ディーリアスという人の音楽は不思議と長くても短くても同じような楽興を感じる。
同じテーマが繰り返し語られても、その嫋々と響く弦楽の合奏の中には淡い濃淡があって、それはまるで、水色の水彩絵の具を絵皿に溶いて水を加えた極薄い、色合いを作り出し、塗り重ねた塗りむらが美しい波を描く偶然のようです。
湿った暗さがあるわけではなく、抒情という言葉の範疇ではちょっと説明がつかない不可思議な心の揺れが起こる。
彼の音楽に対する印象は最初にレコードでであったときのターナーの水彩画のイメージから抜け出せないでいる。
彼の音楽とは直接の関係はないだろうにボクには絵の中から聞こえてくる彼の音楽を何度も聴いた。
フェンビーやバルビローやトーマス・ビーチャム、英国の作曲家として扱われるこのディーリアスは以前にも書いたけれど、ドイツ人の両親から生まれている。
人種が音楽を作ることがある。
マジャールやハンガリー、ボヘミアの血の中に流れる已むに止まれぬ根の音楽。
そんなものとは無縁なようで、ディーリアスの淡彩の音楽には英国の風土を強く感じさせるけれど、そこからドイツを感じることはない。
休日の涼しい時間に…
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- アーティスト: ブリテン(ベンジャミン),ブリッジ,パーセル,ブリテン,ディーリアス,フェンビー,イギリス室内管弦楽団,ハーウィッツ(エマニュエル),シリトー(ケネス),アロノウィツ(セシル),リチャーズ(バーナード)
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2004/04/21
- メディア: CD
お早うございます。
音楽を絵画を眺めるように聴くんですね〜〜〜(^。^)
by yakko (2009-06-28 08:48)
視覚から入ってくるものと聴覚から入ってくるものには共通点がずいぶんあります。以前共感覚について少し書いたことがありますが、ボク達の中には音に色彩を感じる感覚を人より持っているものがいるようです。「黄色い声」とか言うレベルを遙かに超えた感覚です。音と色は隣同士です。
絵画の持つイメージは音楽のいつも隣にいます。
音楽にも絵画にも『印象派』というのがありますが、音楽に使われる場合は明確なテーマがなく核心の所在がぼやけた薄明かりの中の音楽というような揶揄的表現から生まれたものだと言うことです。ラヴェルやドビュッシーの音楽がそういう風に聞えたのでしょうね。絵画の持つイメージが音楽表現になっている例です。
音楽を音楽理論の中だけで説明して説得するのは音楽評論家の役目です。
ボクはボクの耳と頭に浮かぶ絵の色彩や情景や表情をなけなしの言葉に載せます。
by Mineosaurus (2009-06-28 09:43)
にゃんたまさん
アイコン変えたの?
by Mineosaurus (2009-06-28 09:51)
イギリスではエルガー位ですね。深く鑑賞できるような洋楽の知識はありません。
by SilverMac (2009-06-28 10:16)
SilverMacさん
ご訪問ありがとうございます。
ボクもエルガーは好きです。イギリスは特有の音楽風土があるみたいですね。パーセル、エルガー、ブリテン、ディーリアス、ブリッジ…ボクは真ん中の3人が特別スキです。
by Mineosaurus (2009-06-28 10:35)
拙ブログへのご訪問ありがとうございました。
ホントここは、ハイクオリティーって感じの風格のブログですね。
by shinwa (2009-06-28 16:59)
Shinwaさん
書いてる内容によってべろべろに変化する気まぐれブログです。あなたに今起こっている危難にかける言葉もありませんが、気力は体力から離れて生まれません。
勇気を持って回復するまで休まれてはとこの頃思ったりします。頑張って下さい。
by Mineosaurus (2009-06-28 18:38)
ご助言ありがとうございます。
by shinwa (2009-06-29 10:06)