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ラフマニノフのロマンス [音楽]

弦楽四重奏曲第1番
 第2楽章 ロマンス:アンダンテ・エスプレッシーヴォ:ト短調

ラフマニノフはピアニストとしての係数が高く、当然ながら生涯にピアノの絡まない室内楽を書いた作曲家ではない。
記録に残っているものは、ものの本に拠れば、未完の弦楽四重奏曲が2曲とこれを編曲したような五重奏曲が残されているのみだ。
もちろんピアノが絡んだものはあるけれど。
弦楽四重奏曲第1番は第2楽章のこのロマンスと第3楽章のスケルツォが残っているけれど、スケルツォに関しては編曲されているらしく、版が少なくとも2つ存在する。
どちらがオリジナルなのか専門家でないからわからない。
ただ、この第2楽章は幸いにして本人のメランコリックな魅力に溢れている。
単純な主題に拠るけれど、クァルテット特有の音の均等な編み込みが聴かれ、適度な晦渋さが楽曲への意気込みを感じさせる。



決して晴れることのない重く厚い雲間から時折弱い藤色のレンブラント光線が降りる。鉛色の凍土の上に同じ色に染まった背の低い草と色を失ったような花達。
歩み寄って摘むほどの愛らしさもなく、誰も近寄らない花達は、うそ寒く弱々しい春の陽光の中で、色彩のプリズムが降りてくるのを待っている。
重苦しい雲が割れ、大地に天が接するとき、一斉に色づくことを知っているほんのわずかな人々は遠くの家の厚い窓ガラス越しに外を見ている。
情緒的な感覚が不可思議な浮遊感の中で浅くつくため息のように続く。
この曲に続く音楽を考えるのは難しい。

アンダンテ・カンタービレ~ロシアへの誘い/ボロディン四重奏団

アンダンテ・カンタービレ~ロシアへの誘い/ボロディン四重奏団

  • アーティスト: ボロディン四重奏団,ストラヴィンスキー,ボロディン,ショスタコーヴィチ,シェバーリン,ラフマニノフ,プロコフィエフ,バインベルク,チャイコフスキー,シュニトケ,グラズノフ
  • 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
  • 発売日: 2000/06/21
  • メディア: CD

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