ドイツ・ロマン的 ロシア音楽 [音楽]
アントン・ルビンシティン/チェロ・ソナタ第2番ト長調op.39
第1楽章 アレグロ・モデラート
第2楽章 アレグロ・コン・モルト
第3楽章 アンダンテ
第4楽章 アレグロ
最初のチェロソナタから5年後に書かれている。
大体この人の作品はindexにも載っていない作品が多くて、カタログで見るとピアノの絡んだ室内楽がかなりあるはずだけど、ピアノ三重奏曲第3番とか書いてあるんだけど、1番は?2番はどうなったの?といいたくなる。
タネーエフ弦楽四重奏団の演奏する弦楽四重奏曲もあるはずだし、ヴィオラ・ソナタもあるはずだ。
ロシアで初めて世界的名声を得たピアニストであり、シンフォニーから歌曲まで膨大な作品を残しているはず。
一説には出版社を頻繁に変えたために楽譜が散逸してしまっているとか、ようやく今、作品が再生しつつある。
5曲のピアノ協奏曲はリスト的な技巧の勝ったものから内省に深く沈潜してゆく気配を持つものまでその時々の音楽的成熟を聴くことができる。
このチェロソナタは第1番ほどの協奏的なものではなく、楽章の統一感がやや希薄だけれど、第1楽章とこの第3楽章のアンダンテは出色です。
もう何度この楽章を聴いたことか。
冒頭のチェロが歌う主題のなんて優しく暖かい旋律。ルビンシティンの素晴らしい部分は楽器間の旋律の受け渡しが、決してピアノパートに偏るところがなく、弦楽の奏でるもっとも美しい部分がピアノによってブリリアントに縁取られてゆく部分です。
途中ピアノはチェロの歌うメロディの上でフーガを奏で、チェロはやがて通奏に移り、そこではピアノは冒頭のチェロに出てきたチャイコフスキーのあのピアノ協奏曲第1番の有名な冒頭のテーマに似た音形を太い線で室内楽的に凝縮して聴かせます。
決して土臭い音楽ではなく、その情緒はドイツ的なロマンティシズムを湛えています。
彼のこういった音楽的な姿勢はやはり民族楽派の5人組とは水と油であったのでしょう。
音楽の力がダイレクトに感じられるピアノとチェロのアンサンブルの絶妙が聴けます。
その第3楽章を
- アーティスト: Alla Vasilieva,Anton Rubinstein,Alexey Shmitov,Mikhail Muntian
- 出版社/メーカー: Russian Disc
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