SSブログ

グリーグ つくされた言葉 [音楽]

グリーグ/ピアノ三重奏曲(未完)よりアンダンテ・コンモート ハ短調

ああ、もう5月だ。この早さはたまらないなあ。ゆっくり花を眺める余裕もなかった。

さて、標題の作品は1878年頃グリーグが35、6歳の頃の作品。
当然ながら作品番号はついていない。
この悲痛と劇的緊張はチャイコフスキーのトリオに聴かれる追悼の言葉を持っている。
YouTubeでこんな曲を見つけたときにはちょっと驚いた。
トイヴォ・クーラという20世紀のロマンティストが作曲したピアノ三重奏曲(50分を超える非常に叙情的な作品。おそらく歌曲以外には日本では扱われていないと思う。)の脇役に録音されていたものを聴き直したけれど、この演奏とは違うみたいだ。
ということは、世界は広いねえ。
この曲をしかも未完成であったろう作品を敢えて録音してリリースする音楽環境があると言うことなんですね。
もっとも何度か書いてるように、特に特別に美術館に行って鑑賞しなくてもよい音楽のような分野では自国の芸術家に対する録音の多さは当たり前だけれど非常に多種多様なものがある。
日本では交響曲作家として知られているシベリウスには本当に優れた多くのピアノ曲や室内楽があり、このグリーグにもペールギュントのような剛直だけではないリリカルな作品が多く残されている。
この曲もまた未完ながら彼のチェロソナタに貫かれているような激しさと熱気を未整理ながら吐き出した覇気に充ちている。
まずこの楽章に手を付けたのは、彼の周囲に内なる感情を音楽に載せて語る衝動があったからかも知れない。
書き上げた時点でその言葉は役割を終えたのだろうか。ならば他の楽章は必要あるまい。
チェロの抑えた通奏の上に、ぽつぽつと悲しみを打ち込むようなピアノに旋律が浮かぶ頃ヴァイオリンが静かに重なる。控えめながらヴァイオリンがkeyの役割を果たし、ピアノとチェロの間のバランスを前後左右に取って行く。
ピアノパートには明らかにグリーグ特有の叙情性が聴けるが、弦楽のアンサンブルはスラヴ的な色合いが濃い。
約10分程度のエレジー。画像はありませぬ。


 




Grieg; Smetana; Tchaikovsky - Piano Trios

Grieg; Smetana; Tchaikovsky - Piano Trios

  • アーティスト: Bedrich Smetana,Edvard Grieg,Pyotr Il'yich Tchaikovsky
  • 出版社/メーカー: Simax
  • 発売日: 2009/04/07
  • メディア: CD
Brahms: Piano Trios 1 & 2

Brahms: Piano Trios 1 & 2(余白に入ってます。)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Simax
  • メディア: CD
Schumann: Piano Trios, Opp. 63 & 80

Schumann: Piano Trios, Opp. 63 & 80

  • アーティスト: Robert Schumann,Grieg Trio
  • 出版社/メーカー: EMI
  • 発売日: 2001/01/09
  • メディア: CD
9743423.gif
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ

nice!(46)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 46

コメント 1

せつこ

きなこばあさんも、おはぎばあさんも、年が分からなくて可愛いわ♪
by せつこ (2010-05-01 22:37) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。