難物 [音楽]
いつのまにやら20,000niceを超えておりました。いやいや、皆様有り難うございました。
最近ペースが安定してきて、忙しくても何とかなってきました。これからもどうぞ宜しく。
セザール・フランク/弦楽四重奏曲ニ長調(1890)
第1楽章 ポコ・レント
第2楽章 スケルツォ:ヴィヴァーチェ
第3楽章 ラルゲット
第4楽章 フィナーレ:アレグロ・モルト
ドイツ的で重厚。
重なり合う弦楽は均一な並みの上に互いを支えながら浮遊し、ゆっくりと沈潜する。
労作された主題はロマンティックでその後のフランス音楽の絵画的な要素は少ない。
昔ボクはパレナン四重奏団の演奏するLPレコードを持っていて、フォーレと共によく聴いた。
このフランクを聴いた後フォーレを聴くとそのわかりやすさと馥郁と醸される詩的な音場から生まれる無数の絹糸のような触手に慰撫されるような感覚を覚えた。
フランクの作品はそれとは違う。
また、ラヴェルやドビュッシーにある刺激的なアンサンブルよりもむしろアンサンブルは緊密で深く編み込まれていて容易にほぐれない。
大曲であり、この作品を作るエネルギーはベートーヴェンの後期の大作に匹敵する。
意志的できわめて個人的な足場から大乗的な高みに飛翔するベートーヴェンのドラマはないけれど、それぞれの楽器の持つ歌と音域の全てを吐き出してなお、それらを統べる意志を感じる。
第1楽章の重い扉を開けて夜から日の移った明日の日射しをいきなり受けたような主題に出会い、様々に明滅し変幻する弦楽達の受け渡しの中で熱せられ、音楽は後期のフランク特有の複雑な香気を放つ。
決して人気が出るような直接的な感性への共鳴があるのではない。
耳からはいる音楽は遠巻きにボク達の内省に繋がる入り口のどこかを手探りで探し当て、こちらから扉が開かれるのを辛抱強く待つ。
ヴィヴァーチェであるスケルツォですら躍動するのではなく、舞踏的なイメージを膨らませるよりも、自分でもまだ気づかなかった感性の隙間をぴったりと埋められるような感覚がある。
有機的に繋がりながら異なる世界に浸るのが第3楽章。
これは弦楽の合奏がボクらの感性と共に融合する音楽の最終形ではないかとまで思うのだけれど、『ロマンティックで美しい』というのとは微妙に違う。
全く異なり、収まる場所も違うのだけれど、思い浮かぶのはボンの巨匠くらいだ。
この楽章のさわりだけを紹介します。
さすがのYouTubeにもないみたいだね。
再生できない場合、ダウンロードは🎵こちら
フィナーレは第1楽章からのテーマが交互に明滅しながら有機的に結びついてゆく。
低音楽器の使い方の巧みさに唸る。
各楽章が均一に高く、高低がないのが欠点と言えばいえるかも知れない。全てを同じ集中力で聴くことは未だにできない。
酸欠になりそうな難物です。
全曲通して聴きたい方は直接リンクはできないのでGoegleでセザール・フランク 弦楽四重奏曲で検索すると上から8つ目くらいにセザール・フランククラシックMp3無料ダウンロードがありますのでそこで懐かしのレーヴェングートSQの演奏が手に入ります。1950年頃の著作権が切れたものです。素晴らしい演奏です。
フランク:ピアノ五重奏曲ヘ短調/弦楽四重奏曲ニ長調(2枚組)
- アーティスト: フランク,ヴィリニュス弦楽四重奏団,ムーザ・ルバツキーテ(ピアノ)
- 出版社/メーカー: Brilliant Classics
- 発売日: 2008/07/15
- メディア: CD
20,000nice! 越えおめでとうございます。^^
by びくとる (2010-05-07 13:53)
Mineosaurus さん、こんばんは。
いつもお世話になっています。
20000NICEおめでとうございます。
おいらはやっと2000NICE超えました~
by uryyyyyy (2010-05-07 19:14)
20,000nice! 突破おめでとうございます(^o^)o∠⌒※
こちらこそ、これからも宜しくお願いしますm(_ _)m
by 下総弾正くま (2010-05-08 07:33)