数撃てば当たる [音楽]
サン=サーンス/ピアノ五重奏曲イ短調
第1楽章 アレグロ モデラート マエストーソ
第2楽章 アンダンテ ソステヌート
第3楽章 プレスト
第4楽章 アレグロ アッサイ マ トランクィロ
サン=サーンスのチェロソナタを2曲聴いた。
うーん。聴かなきゃよかった。
サンサーンスは室内楽もたくさん残している。
その中でもピアノ四重奏曲は比較的有名だけど、チェロソナタはあんまり演奏されない。
きらりと光る一瞬があれば、紹介するにも熱が入るのだけれど、申し訳ないがさっぱりあきまへん。
何ていうか技巧一点張り音楽的に聴き手を感動させたり聴き手に共感させたりするようなアプローチではなく、パガニーニが注文したような作品だ(パガニーニ・ファンの方、ごめんなさい。)。
この作品に時間を割こうと思わない。
アンドレ・ナヴァラが録音しているくらいだから、専門的には挑むにたる作品なのだろうけど、ボクには判らない。
で、彼のチェロのための組曲を聴くとこれがまた全然違う。心を捉える数瞬がある。
さらにこのピアノ・アンサンブルを聴くと、これはもう、ちょっと参ってしまう。
もちろん技巧的な部分はあるにしろ、人間のぺースで歌われる歌が素晴らしい。
第1楽章のシリアスなテーマから解放される第2楽章のソステヌートの美しく、極楽鳥の羽が地上で暖められた空気を受けてゆっくり舞い上がるように、鬱な気分に澎湃と赤みが射してゆく歌がピアノから弦楽に受け継がれてゆくところはホントにこの作曲家の長所が一番よく出ている。
ヴァイオリンのトレモロの上で細かいピアノの独白と下降する弦楽の美しい交差が実にいいのです。
こんな曲を作るのにあのチェロ・ソナタは何なのだろう。
実験的な音楽としてボクには理解しがたい部分で完成してしまっているのだろうか。
サン=サーンスのチェロソナタに受ける印象は学生時代とちっとも変わらなかった。
年喰った分だけ、入れ物が大きくなっているはずなのに茶碗の端にこびりついたまま硬くなったササニシキみたいだ。
ああ、また五重奏曲からそれてしまった。
第3楽章を経た後の終楽章がまた素晴らしい。
ポリフォニックに上昇して行く先にある歌の明るさと流れの明澄。
ブラームスかシューマンかの雰囲気が参考にされているかも知れないけれど、折り重ねられたアンサンブルが高低を替えて交錯してゆく立体感とシンフォニックな展開がちょっと癖になって何度も聴きたくなる。
迷ったけれど、YouTubeでは第2楽章を
Saint-Saëns: Piano Quartet; Piano Quintet; Septet; etc.
- アーティスト: Ursula Leveaux,Richard Hosford,Camille Saint-Saens,Nash Ensemble,Philippa Davies,Gareth Hulse,Ian Brown
- 出版社/メーカー: Hyperion
- 発売日: 2005/06/14
- メディア: CD
Elgar/Saint-Saëns: Piano Quintets
- アーティスト: Janne Saksala,Edward Elgar,Camille Saint-Saens
- 出版社/メーカー: Edition Abseits
- 発売日: 1992/01/01
- メディア: CD
サン=サーンスというのは、僕にとっては以外性があるというか、好き、嫌いがはっきりするというか。ある意味、面白いと・・。今回紹介して頂いた作品は。すごくアンサンブルのバランスがよく、聞きやすい曲という感じがしています。
全体を聞きたくなりました。
チェックです。
有難うございました。
by matcha (2010-05-09 16:07)
サン=サーンスはホントに好き嫌いが分かれる作品が多いですね。この作品はいいですね。でもチェロ・ソナタはいけない。というより、素晴らしいんでしょうが、ボクの守備範囲を超えてますね。
by Mineosaurus (2010-05-09 21:45)