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蘇り [音楽]

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カミッロ・シューマン/チェロとピアノの小協奏曲 ロマンツェOp.20-1

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1872年にドイツのケーニヒシュタインに生まれ、1946年ドレスデンで没している。
300曲を超える膨大な作品を残し、室内楽だけども相当数の名作を残したが、時代が彼の露出度を遮っている。
音楽一家の次男坊。オルガニストとして近代名を成している。
現代にあってこの堂々たる調性音楽。
このチェロとピアノのためのロマンツェのテーマはどこかで聴いたことがあると思いつつ、記憶の筋を辿っていたらふと思い出した。
シューベルトのピアノ三重奏曲変ロ長調D.898のアンダンテである。
彼の魂は現代ではなく、この頃の音楽家達に捧げられている。
清廉で情熱的、そしてわかりやすい。
現代に蘇った完璧な後期ロマンの時代。
この作曲家のチェロは本当にブラームスのようです。
チェロのための作品には4つ(正確には3つと言うべきか)の比較的大きな作品があり、クラリネットや弦楽四重奏曲、ヴァイオリンに至るまでいい意味で埃を被らないフレッシュなまま蘇っている。
作曲された年代が20世紀。
なのに近代や現代との妙な折り合いがない。
何?実験的でない?
調性音楽で実験的なものって、もう19世紀の終わりにネタが尽きている。
閉塞した学術的音楽状況に黄金律や、無調、状況等を持ち込んで様々な条件が付加されてきている。
でも、『よくわからん』というものは意外と少なくて、例えばそこに打ち出されたピアノの音がもつ色や湿度は近代も現代もあまり変わりはないように感じる。
耳からはいるものに感応する音楽のきっかけは、決して理性や知性的なものではない。
1年前に鍵盤をポンとやって、1年後の決まった時間にまたポンと鳴らす。それを音楽と称する実験。
そこには聴衆は必要ない。
詩的時間の経過を感得する条件の均一と空間と同質の楽器があればよい。
感心はあっても、感動はない。
カミッロは分かりやすく、そこにこだわりのない聴衆さえいれば音楽の楽しみがつながる。
何?古色蒼然?いーんじゃない?
そのかわり、ブラームスのような音楽が聴ける。
物真似ではないストイックでロマンティックな時代の蘇りである。
2曲のソナタの方はもう少し聴き込みたい。
そう思っているところに23枚セットのマックス・レーガーの室内楽が届いてちょっと途方に暮れている。
まあ、とにかくこの作曲家にも注目。

 

この作曲家の室内楽。その膨大な量に比して録音が非常に少ない。もっと露出させてあげたいね。

 

 

 





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