あまりにも個性的な [音楽]
ドヴォルザーク/弦楽四重奏曲第12番ヘ長調op.96 B.179「アメリカ」
第1楽章 アレグロ マ ノン トロッポ
第2楽章 レント
第3楽章 モルト ヴィヴァーチェ
第4楽章 ヴィヴァーチェ マ ノン トロッポ
ボクは学生の頃この作品を友人によく聴かされた。
東京文化会館へもNHKホールへもスメタナ弦楽四重奏団が来るたびに連れて行かれた。
正直言ってスメタナSQを聴くならベートーヴェンの後期を聴きたかった。
ボクはこの作品は苦手である。
出来からいえばボクは13番の方がよいように思うのだけれど、どうかなあ。
一言で言えば通俗的。
この作品はホントかどうか知らないけれど、1893年の6月8日に夏休みを過ごしたアメリカ・アイオワ州スピルヴィルでわずか3日でスケッチを終え、それから2週間も経たずに完成されている。
最初からおそらく主要な部分のスケッチは頭の中にあったのではないかとも思うけれど、アメリカの風土に触れて、触発されたものが出口を求めていたのかも知れない。
あまりにも個性的だね。
素材の扱い方がどうも癖があってそれが合わないのかなあ。
でも、当時NHKホールで確かレコードにもなったと思うけれど、スメタナSQがデンオンのPCM録音を行ったライブステージで演奏したときの第2楽章には鳥肌が立った。
鬼気迫る演奏だった。
この楽章の素材はゴスペルだといわれている。確かにそんな風に聞こえる。
でも、スラヴの大地の肥沃な土の匂い、両手ですくった腐葉土が手を払っても洗ってもいつまでも指先に残っているような感覚がつきまとう。
もっといえば細身のガラス瓶の底にオリーブが一個あってそれがとろみのある甘ーいシロップに中に沈んでいる。
そのオリーブを食べたいんだけど、そのためにはそのシロップをほとんど飲み干さなければならないって言う感覚。
三部形式のニ短調で書かれたメランコリックな楽章だけれど、そのアンサンブルの扱いは実にシリアスで
ヴァイオリンの哀切な歌に続くチェロの歌がヴァイオリンのピチカートやロマンティックな高音に包まれながら暮れてゆくような部分は心が剥がされてゆくような切迫感がある。
とりわけボクは昔聴いた圧倒的なトレモロの上を暗い海に向かって櫓をこぐように進む演奏が刷り込まれていて、この楽章だけは特別に思い入れがある。
演奏はあまり粘らないものがいい。
音楽自体がこってりしているからザッハリッヒに演奏される方が本質に近づけるような気がする。
第2楽章レントをクリーヴランドSQの演奏で
ドヴォルザーク : 弦楽四重奏曲 第12番 ヘ長調 作品96「アメリカ」
- アーティスト: グァルネリ弦楽四重奏団,ドヴォルザーク,スメタナ
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2000/09/23
- メディア: CD
ドヴォルザーク:弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」、シューベルト:第14番「死と乙女」
- アーティスト: エマーソン弦楽四重奏団,ドヴォルザーク,シューベルト
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2007/09/05
- メディア: CD
お早うございます。
この一年お越し戴きアリガトウございました。
来年もよろしくお願いいたします。どうぞ、良いお年を〜 !
by yakko (2012-12-31 08:03)
度々のご訪問、ありがとうございました。
良いお年をお迎えください。
see U next
Year!
by PopLife (2012-12-31 08:20)
今年1年楽しかったです。
良いお年をお迎えくださいね、来年もよろしく。
by hypo (2012-12-31 09:06)
良いお年をお迎えください。
by そらへい (2012-12-31 21:43)