演奏台での終焉 [音楽]
その音楽家は演奏台の上で死ぬことを理想とし、音栓助手をつとめた愛弟子であるモーリス・デュリュフレが呆然と見守る中、足鍵盤の低いホ音を踏んだままその理想を全うした。
ルイ・ヴィクトル・ジュール・ヴィエルヌ。
希代のオルガニスト。
ボクがこの作曲家を知ったのは、彼が即興演奏の大家として名を成していたオルガンの分野ではなく、彼の室内楽でした。
チェロ・ソナタやピアノ五重奏曲、数は多くないけれどセザール・フランクが先天的白内障で大きなハンデを負っていた少年の演奏に魅せられ、パリ音楽院への道が開かれた。
オルガニストとしての名声と実力また指導者としての才能も頭抜けています。
その後の苦節とオルガニストとしての稀類ない才能は、オルガン好きの方ならばどなたでもご存じだろうけれど、ボクは彼の室内楽に魅せられていた。
最近になってピアノ曲の非凡や室内楽の素晴らしさが日本にも知られてきたのだけれど、あまりにもオルガニストとしてまたオルガン楽曲の作曲者としての輝かしいキャリアに霞んでしまっていて、ボクの手許にあるCDはわずかですが、全てフランス語で何やらわからん。
面倒くさがりの叔母がボールペンでライナー・ノーツを解説してくれているので何となくわかる程度。
彼のオルガン楽曲はほとんど聴いたことがないけれど、超有名なこの曲は知っている。
24の幻想曲の中の第3番『ウエストミンスターの鐘』op.54です。
実際望んでもなかなか出来ないこと
そんな幸せな音楽家がいたとは!
by そらへい (2013-10-19 15:54)
すごい!
まさにファンタジー。
素晴らしい想像力、創造力ですね。
by glennmie (2013-10-19 23:47)