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ふつーのくつろぎ [音楽]

ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲第4番変ロ長調op.11『街の灯』

第1楽章 アレグロ コン ブリオ
第2楽章 アダージオ
第3楽章 主題と変奏(ヨーゼフ・ヴァイグルの歌劇『船乗りの恋』からのアリアのテーマによる)


 70px-Beethoven_3.jpg  パガニーニの作品にも同じようなのがあった。
ボクはヴァイオリンはあまり得意ではなくて、とりわけパガニーニはバリバリのリストよりもずっと苦手です。
人の作品を聴いて『こんなに凄いテクニックで弾くことができるよ』と押しつけられえているようでどうも苦手ですね。(パガニーニファンの方ごめんなさい。)
で、普段あんまりそういうことからは遠いところにいるボンの巨匠でも、多楽章の作品に他人の曲を主題を拝借するなどと言うことがあるのを知って妙に心が和んだ記憶があります。
大体ボクのベートーヴェンは室内楽に限っては後期からといっていいので、眉間に深く縦皺が刻まれているイメージを払拭する必要もなく、ありのままに受け容れておったのでした。
このトリオなんぞは、眉間を大きく開いていて妙にテンションが高い。
この作品は伝説のヴィルトゥオーゾクラリネッターであったヨーゼフ・ベイヤーに献呈されており、そこから察するにクラリネット・トリオであるのが本筋なんだろうね。
アナログレコードだったけれど、最初にボクがもっていたのはモーツァルトのクラリネット・トリオとのカップリングだった。もう忘れたけれど、街の灯が灯った何処かの港町の通りの写真がジャケットに貼り付けられていたように記憶している。
あんまりよく知っていたため、もう既に記事にしているはずだと思うけれど、奇妙なことに記録がない。
ま、いいや。
ピアノ版はまだ記事にしてないと思うな。
この作品をピアノ・トリオの第4番にすると第4番の『幽霊が』第5番に繰り上がり、大公トリオが6番から7番に上がる。この辺が適当な感じがするね。
YouTubeで演奏を探していると、調性が同じなのでちと混乱した。
3楽章形式で最後にこういう主題と変奏をもってくるのは、クラリネットに魅力を与える旋律をB♭管のクラリネットで美しく聴かせることを意識してるんだろうね。
なんか、心配りが見えてきてちょっと和んだ。
聴きものはもちろん第3楽章。
跳ねるようなピアノのリズムがアリア『仕事の前に』の明朗な歌を奏で、当時の人気を思わせる。
でも、さすがベートーヴェンと思わせるのは短調の部分。
協奏曲的なピアノの閃きがあって変化に富んでいる。
騒々しい一幕のお芝居のような一曲です。
でね、一番ベートーヴェンらしくないのは第2楽章のアダージオだね。
この揺ったりとして翳りのない歌は大好きです。
本当にふつーのくつろぎかた。
木管楽器を使ったのちの作品20に転用したような部分がある。耳に残りやすく、メロディアスです。
もちろん中間部には思いの外深い思いを沈めています。

ここをちょいとお聴き下され。

旋律がチェロからヴァイオリンに渡りますが、クラリネットに移る部分ですね。奇麗です。

 


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SOGUM

おはようございます、mineosaurusさん。
はじめまして、SOGUMと申します。
ブログランキングから訪問させていただきました。

私音楽のことあまりわからないので
こんなコメントしかできません。

「朝から喫茶店でくつろいでる風景が見えました」
すいません・・

応援して、去ります。おじゃましました。

by SOGUM (2014-03-08 07:29) 

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