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アンリ・ヴュータンのチェロ協奏曲 [音楽]

ヴュータン/チェロ協奏曲第1番イ短調op.46
どうも、困ったクセだと自分でも思うのだが、マイナー指向だな。
今回もあまり演奏されることのない楽曲の紹介になる。
シューマンのチェロ協奏曲なんかやりたいんだけどね。
演奏が多すぎて目移りしてしまうのと、演奏家への拘りがあったりして棚から出すといつものCDやいつものテープ、いつものレコードです。
ヴュータンといえば、ヴァイオリン協奏曲であり、ヴァイオリンと管弦楽のアンサンブルに中心的作品が多く集中しています。
シューマンがまだ少年であったヴュータンを「小さなパガニーニ」と評したように、そのヴァイオリンの技術に関しては圧倒的な実力を誇っていたそうです。
また、彼は他だの技巧的な演奏が得意な音楽家ではなく、古典的な偉大な作品についても深い敬意と信奉を隠さなかったのであり、
彼のヴァイオリン協奏曲は独奏楽器のオーケストラとの融合を目指したシンフォニックな特徴を持っています。
しかし二度の脳卒中に見舞われ、自作を振ることも弾くこともままならなくなった晩年は、ヴァイオリンから他の楽器へと作曲の対象を移しています。
このチェロ協奏曲はそんな事情の中で作曲されており、ヴュータンの鬱々とした気分を投影しているかのように重いロマンに充ちています。
とはいえ、フランコ=ベルギー楽派の典雅と華麗はヴァイオリンからチェロに変わっても、そこここに煌めいています。
第一楽章 アレグロ モデラート
第二楽章 アンダンテ 
第三楽章 アレグロ
の三楽章構成。どの楽章にも重くロマンティックな歌がありますが、シンフォニックであり、かつ、カデンツァ部分のチェロの技巧はヴァイオリンを弾くのと同じレベルの閃くようなボウイングが求められています。


ハインリッヒ・シフはこの曲を軽やかに奏し、過度に重くならない込め方でこの曲のロマンティックな情感に応じている。曲を知るにも、曲を楽しむにもこのCDはお薦めです。


Vieuxtemps: Cello Concertos Nos. 1 and 2

Vieuxtemps: Cello Concertos Nos. 1 and 2

  • アーティスト: Heinrich Schiff,Henri Vieuxtemps,Neville Marriner,SWR Stuttgart Radio Symphony Orchestra
  • 出版社/メーカー: EMI
  • 発売日: 2001/04/03
  • メディア: CD


Henri Vieuxtemps: Cello Concertos 1 and 2

Henri Vieuxtemps: Cello Concertos 1 and 2

  • アーティスト: Marie Hallynck,Henri Vieuxtemps,Theodor Guschlbauer,Orchestre Symphonique de l'Opéra National de Belgique
  • 出版社/メーカー: Cypres
  • 発売日: 2001/01/01
  • メディア: CD



 


 



 


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