和製『ヒドゥン』-『大帝の剣』 [Movie]
夢枕獏が好きで学生時代はよく読んだ。
「上弦の月を喰べる獅子」これは素晴らしい作品だった。獏さんの中期の渾身の傑作だと思う。
彼の行く方向はこれを書き上げてから『サイコダイバー・シリーズ』なんかの伝奇アクション路線に行ってしまったけど、『上弦の月を喰べる獅子』は夢枕獏を読む上で欠かせないだろうな。厚いぞ。
初期の作品から、SF伝奇ものもたくさん読んだ。
今でも続いている「キマイラ」この物語はどこまで行くのかワカラナイ。
誰が主人公かもワカラナイ。(初めは別の小説の主人公九十九(ツクモ)乱蔵の弟、九十九三蔵だと思ったんだけど…)
彼の他の小説の登場人物がぽんぽん出てくる。
格闘技の造詣が深い彼は、小説にそれがよく出てくるけれど、僕が最も好きな主人公は九十九乱蔵だね。
いわゆる祟られ屋なんだけれど、めちゃくちゃな体躯の大男で、生成の半袖のT-シャツの肩に小さな黒い猫をのせている。
それは黒猫ではなくて『沙門』という名の尻尾が二つに分かれた『猫又』なのです。
剽悍な大男と小さな子猫のような霊猫のおどろおどろしい活躍が楽しかった。
一頃は短編から長編まで一気にたくさん出たんだけれど、最近は獏さん他のことに気を取られて、あの世界に帰ってこない。次回作を待っていたらもう22,3年になるか。さすがにボクも諦めた。
最近はその九十九乱蔵の『闇狩り師』シリーズをベースにしたような『陰陽師』の方が有名になってしまった。
で、子供が借りてきた映画の『大帝の剣』をDVDで観た。
まあ、原作の荒唐無稽からシリアスを除いたらこうなるかというような内容で、不可思議なムードは映像にしてしまうとちょっと滑稽だった。
最初の登場シーンは期待させたねえ。後は時代劇版『ヒドゥウン』だった。
『大帝の剣』という原作よりも『ヒドゥウン』っぽかったな。
でもそれなりに楽しんだ。役者が楽しんでたせいだな。
安岡力也は岸和田少年愚連隊のカオルちゃんがメイクしてるみたいでおかしかった。
ぐだぐだ言いながら結構楽しんで観ました。
ヒドゥン ENTERTAINMENT COLLECTION SILVER
- 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
- メディア: DVD
こんにちは♪
「上弦の月を喰べる獅子」私も、大好きでした。
分厚いので、もう一度読む気力は無いのですけれど、結構人にも薦めたりして♪でも、その中で読んだ人はいないとは思いますけど‥(^。^)b
読んだっていう満足感のある本でした。
他のバイオレンス系の本は読んでないのですけど、「陰陽師」だけは読みました。
by こいし (2007-12-03 15:11)