室内楽の宇宙-やっぱり濃いなあ… [音楽]
ブラームス/ピアノ三重奏曲ハ短調 OP.101
さすがに作品番号が101番くらいになると作品8の若々しいさわやかさはなくなり、円熟のロマンが色濃い。三重奏曲でも凝った書法のおかげで、緊密なアンサンブルに隙がない。(なさすぎるんでない?)
第1楽章 アレグロ・エネルジーコ
第2楽章 プレスト・ノン・アッサイ
第3楽章 アンダンテ・グラツィオーソ
第4楽章 アレグロ・モルト
緩徐楽章の美しさとロマンティシズムには毎度やられてしまいますが、特にこの作品のピアノ・パートが僕は好きで、緊密な構成でありながら、少し遊んでくれるようなアンサンブルが良いんです。
この曲はたくさんのトリオによって演奏されています。
でもやっぱり、定番に戻りますね。
なんといっても、ピアノトリオなんですからピアノ・パートがソノリティに魅力のある人でないと。
スークト・リオのようなアンサンブルの緊密さには欠ける部分があるけれど、第4楽章なんかは音楽を楽しんでいて、ピアノが弾いた後、少し首をかしげてチェロとヴァイオリンの出を待って呼吸を合わせようとしているルービンシュタインの音楽に胸襟を開いた姿が、目に浮かぶようで楽しいですね。
目の詰んだ完成度の高い作品に構えることなく、それぞれが悠然と構えているところが妙に気に入っています。
ベートーヴェンでは少しじれったいところがありますが、ブラームスではこのトリオの美質が良く出ていると思います。
シューベルト : ピアノ三重奏曲第2番&ブラームス:ピアノ三重奏曲第3番
- アーティスト: ルービンシュタイン(アルトゥール),ブラームス,シューベルト,シェリング(ヘンリック),フルニエ(ピエール)
- 出版社/メーカー: BMGインターナショナル
- 発売日: 2000/10/25
- メディア: CD
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