昔映画が好きだった頃① [Movie]
ロビンとマリアン
学生の頃ボクはこの映画を試写会で観ました。虎ノ門か何処かのホールで観た記憶があって、招待状は二つ折りの白のカードに金の縁取りがしてあって、ピンク色の矢が一本走っていた。
ロビンフッドがチビのジョンに自分が死ぬ時放った矢の届いたところに埋めてくれと言ったその思いを象徴するようでした。
これはボクが今でもファンであり続けているオードリィ・ヘプバーンの最後のメインキャストの映画であったように記憶しています。
シャーウッドの森の英雄も年老いて自分で登ろうとした木から落ちてしまったり、体力の衰えの中に淋しさではなく、嘆きでもない、変わらぬ夢多き男の生き様を描いていました。
若く美しかったマリアン姫はロビンを待って、待って、待ちくたびれてとうとう尼僧になってしまい、老いてゆく二人が歳を経たことによって近づくことができたお互いの気持ちの描き方が微笑ましくも切ない。
目尻に皺の浮いたヘプバーンは年齢相応の笑顔で、それはどこにも老いの無惨さなどなく、美しさと可憐さを感じたものでした。
でも、この映画は死に臨んでなお、前向きに倒れてゆくヒーローの生き様を描いた骨のある映画なのです。
虐げられた民人の英雄として森を縦横に駆けめぐった時代は過ぎ、木にも登れなくなった老体になっても、堯舜の民なのです。心は青いリンゴのように清新であり続け、ロビンフッドの魂は青いリンゴのまま枯れてゆくのです。泣けましたね。
娘が返し損ねた市民図書館の『ロビンフッドの冒険』を読むともなしに捲っていてふと思い出しました。
2008-02-04 13:34
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