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記憶に残るただ1曲-5 ホフマンのハープ五重奏曲 [音楽]

E.T.A.ホフマン/ハープと弦楽のための五重奏曲ハ短調


E.T.A.ホフマンはドイツロマン主義の時代に生きた文学者であり、哲学者であり、詩人であり、裁判官という厳格な職業を兼ねる音楽家であった。法の執行という論理的思考だけでなく、非論理的な創造性を併せ持つ、いわばダビンチ的天才といえる。
でも、残念なことにその才は歴史の垢にまみれ、埃はその上にうずたかく積もってしまった。
彼の音楽家としての側面は、この室内楽からうかがい知ることができるが、とても素人のものではない。
モーツアルト的な典雅さが豊かに息づいており、上品なロマンティシズムが優しく流れている。
アンダンテの転調部分の持って行き方はモーツアルトのようで、(敢えてその自在さは問いません。その点はどんな音楽家だっ
てモーツアルトのようにはいかないのだから。)
この曲が「際物」扱いされてしまうのはピアノではなくハープを弦楽のパートナーに持ってきたことだろうけれど、そこにこそ、
ホフマンの自己主張と控えめな自身を感じさせる。



残念だけど録音がほとんどない。僕自身が聴くのは西ドイツ放送協会提供のテープのダビングです。
でも、新しくCDが一枚だけ出ています。今のところアマゾンにもHMVにもないようですが…
情報はここに





E.T.A.ホフマン HOFFMANN, Ernst Theodor Amadeus 1776-1822
グランド・ピアノ三重奏曲ホ長調/ソプラノ、テノールとピアノのための6つのイタリア二重奏曲/ハープ五重奏曲ハ短調
ラーヴェンスブルク・べートーヴェン三重奏団/ドロテー・ミールズ(S)//ヤン・コボウ(T)/ヴォルフガング・ブルンナー(p)/イザベル・モレッティ(hp)/パリ四重奏団 999309-2


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コメント 1

cozy

わたしが一時よく聴いていたのは、Koch Schwann レーベルの古い録音(60年代?)で、マリエル・ノールマンのハープ、ジェラール・ジャリのヴァイオリンなど、なかなかいいメンバーによる演奏だったと思います。これを聴くと、モーツァルトのK.617(アダージョとロンド) を連想してしまいます。響き具合といい、最初がハ短調ですしね。
by cozy (2008-02-16 20:04) 

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