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ウエーバーのクラリネット協奏曲第2番 [音楽]

1811年25歳のカール・マリア・フォン・ウェーバーは演奏旅行のため、ミュンヘンに行き、バイエルンの宮廷楽団に所属していたクラリネットの名手ベールマンと知り合う。
ウエーバーが彼のために早書きしたクラリネット小協奏曲は大成功を納め、バイエルン国王の薦めもあり、直ちに2曲のクラリネット協奏曲を書いたのだという。
最初の作品から僅か4ヶ月間で相次いで作曲された2曲のうち、ヘ短調の第1番より、僕自身は第2番の変ホ長調の方が好みだ。
急-緩-急の三楽章のオーソドックスな構成で、聴かせどころが忙しくない。
つまり、クラリネットの音色はもともとが湿り気を帯びているので、短調の方は作風が劇的になりすぎ、超絶技巧的になる傾向があります。クラリネットの暖かい中音域の厚みはゆったりとした歌に特徴があり、その間を聴かせてくれる第2番の緩徐楽章の深みが好きなのです。全く好みの問題です。
でも、完璧に吹かれた第1番の第3楽章は爽快感がありますね。
それでも、第2番の第2楽章は魅力的であると、僕は思いますよ。
ボクはこの曲をザヴィーネ・マイヤーのクラリネットで聴いています。
カール・ライスターも聴きましたが、いや、このクラリネットは美しいです。
ドレスデン国立歌劇場管弦楽団の、どちらかというと古いというか角の取れた古雅な音色をバックに浮き立つような吹奏がしなやかで優美に流れ、楽器の魅力を再認識させてくれました。
これも好みの問題でもあるのですが、ライスターのクラリネットを支えるベルリンフィルの機能的な美しさは金管楽器にもともと超絶的な技術を持った人々が集まっているので、個を引き立てるのはなかなか難しいんでしょうね。
ザヴィーネ・マイヤー女史は言わずと知れたカラヤンとベルリンフィルがこの偉大な指揮者の最晩年に袂を分かつことになったきっかけになったクラリネット奏者でした。
権威によってルールを反故にしようとした帝王がゲルマン民族の最大の特徴である規範性に敗れた事件として印象に残っています。
道理が引っ込まなかったわけですが、カラヤンの奏者の才能を見抜く力は間違ってはいないようです。

ウェーバー / クラリネット協奏曲第1番・第2番

ウェーバー / クラリネット協奏曲第1番・第2番

  • アーティスト: マイヤー(ザビーネ),ウェーバー,ブロムシュテット(ヘルベルト),ドレスデン国立管弦楽団
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1998/05/27
  • メディア: CD

クラリネット協奏曲集

クラリネット協奏曲集

  • アーティスト: ライスター(カール),モーツァルト,メルカダンテ,ウェーバー,豊田耕児,ヴィット(アントニー),群馬交響楽団
  • 出版社/メーカー: カメラータ・トウキョウ
  • 発売日: 1999/08/25
  • メディア: CD 紹介した演奏はベルリンフィルとの古いものではなく、日本の群馬交響楽団との演奏です。

ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番&第2番

ウェーバー:クラリネット協奏曲第1番&第2番

  • アーティスト: ヘルビッヒ(ギュンター),ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団 メイエ(ポール),ウェーバー,ヘルビッヒ(ギュンター),メイエ(ポール),ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
  • 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 発売日: 2007/12/19
  • メディア: CD

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