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メンデルスゾーン ChumberMusic-9 [音楽]

メンデルスゾーン/弦楽四重奏曲第3番ニ長調OP.44-1

第1楽章 モルトアレグロ ヴィヴァーチェ
第2楽章 メヌエット:ウン・ポコ・アレグロ
第3楽章 アンダンテ エスプレッシーヴォ マ・コン・モルト
第4楽章 プレスト コン ブリオ

これは夏から始まる『四季』の歌のようだ。
若々しい気概に満ちたヴァイオリンの強奏。
はねるリズム。
弦楽八重奏曲にあったシンフォニックな弦音の高みから、落下することなくさらに舞い上がってゆくような旋律が快い。
透明な初夏の日差しから、次第に強烈な真夏へと移る光には芯があり、形作られる影の輪郭はくっきりと浮かぶ。
かの知に明確な四季があるかどうかは知らない。
でも、かつてヴィヴァルディに感じたよりももっと印象的で鮮烈なイメージが浮かぶ。
最良のハイドンを遡ってバロックの気品に達している。とにかく上品で元気がいいんだね。
第2楽章のメヌエットは優しく弱まってゆく夏の日差しから、紅葉してくる水辺の木々の乾いた葉ずれ。
深々と踝まで沈み込むような落ち葉の中から抜き取った足は紅と赤と朱に染まっているよう。音楽は爽やかなラインを描いて生き生きとステップを踏む。
第3楽章は黒く深い森に真っ白な雪が積もっている。
降り止んだ綿雪が積もった梢を風が揺らし2度目の雪が舞う。抒情的な旋律は仄暗くロマンティックだけれど、感じきって表現できるかは演奏者に委ねているような淡泊がある。
風が止まった雪原にぽつん、ぽつんと地リスの足跡が交錯する。
終楽章は待ちに待った季節への爆発のようだ。まだ芯から暖かくならない体と心を鼓舞するように、交響曲第4番『イタリア』が聞こえる。
フーガを感じさせながら折りたたまれた手足を伸ばすようにテーマが生き生きと繰り返される。
このバロック音楽に回帰したような旋律はここで最も明確に『音』の『楽しさ』を表現する。
こういう速いテンポになったら独壇場だね。
トスカニーニが狂喜しそうなコン・ブリオです。


メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲

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  • アーティスト: イザイ弦楽四重奏団,メンデルスゾーン
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1994/03/25
  • メディア: CD


メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲-3 第2番, 第5番/スケルツォ/他

メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲-3 第2番, 第5番/スケルツォ/他

  • アーティスト: オーロラ弦楽四重奏団
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 1994/06/01
  • メディア: CD


メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲全集

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  • アーティスト: エマーソン弦楽四重奏団,メンデルスゾーン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2005/03/23
  • メディア: CD

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