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ロドリーゴのチェロ [音楽]

ホアキン・ロドリーゴといえば、ギターですね。
ギターと管弦楽のための《アランフエス協奏曲》や《ある貴紳のための幻想曲》等、クラシックギターのレパートリーとしては不可欠の名作を残しています。
彼はギターだけではなく、ハープやチェロにも協奏曲を残しています。
チェロについては2曲の協奏曲があります。
1949年に作曲されたチェロと管弦楽のための《ギャラント様式による協奏曲》と1978-1981年にかけて作られたこのチェロ協奏曲《ディヴェルティメント風》 です。
これらの2曲は当然ながらギターのための作品の名声に隠れてしまって、録音自体も極端に少ない状態です。
マイナーというか余り知られていないチェロ協奏曲をターゲットに演奏を続けるロイド・ウェッバー辺りがカバーしているのかな。
でも、例によって海外の市場では案外多くの録音があるのかも知れません。
日本での需要と海外のそれでは大きな違いがあるのですから。

ロドリーゴ/チェロ協奏曲(喜遊曲風)

第1楽章 アレグレット
第2楽章 アダージオ・ノスタルジーコ
第3楽章 アレグロ・スケルツァンド

3楽章に分かれているようです。
第1楽章の冒頭ではチェロは弓を床に置いたままチェロをまるでギターのようにアルペッジョで弾きはじめ、ヴァイオリン以下弦楽もこれに従い、『ありゃりゃ?』と思わせた後、おもむろにチェリストは弓を拾い上げ、主題をくり返し始めるのです。
ドイツ・ウィーンの音楽とはどこか異趣のある音楽です。旋律の収まる先が、『こうだろうな』というところにはたどり着かず、やはり、ラテン系の歌がその音楽の収斂する場所に仄かに薫っています。
ちょっと刺激的ですね。こういうのは。
第2楽章は美しいアダージオです。
《ギャラント様式による協奏曲》のアダージオも美しいですが、遙かに明るいです。
この曲はもう少し心の内側に踏み込んだ感じで仄暗く、何処かに、冷め切れぬ熱があってノスタルジックです。


終楽章は喧噪の町の中を狭い路地を抜け、石畳の小さな広場を散策するような、いろいろな音が聞こえます。
黄色や赤や緑の笑い声、怒号、とりとめのないおしゃべり…やがて夜が支配を始め、街灯の黄色と黒のように濃い紺色の夜がせめぎ合う。喜遊という言葉の響きがよりリアルに感じられるスペインの夜です。

ギャラント形式の協奏曲の方はいくつか録音があるけれど、さらにマイナーなこれはないナー。
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