天才ガキんちょモーツアルト奮戦記 [音楽]
弦楽五重奏曲第1番変ロ長調K.174
第1楽章 アレグロ・モデラート
第2楽章 アダージオ
第3楽章 メヌエット・マ・アレグレット
第4楽章 アレグロ
17歳の天才少年の負けん気は、できあがった作品に何度も手を加え磨きに磨いたのだろう。
重層的な弦楽の扱いはただ者ではないが、やはりこの作品には当時41歳の絶頂期のパパ・ハイドンの同種の曲から強いインスピレーションを受けている。
弦楽四重奏にセカンド・ヴィオラを加えた構成はよく練られていて明るくチャーミングな推進力に充ちた第1楽章。
さらに、アダージオのやや古風な歌とリリカルな弦楽の装飾にモーツアルトの若々しい自在さが眩しい。
ボクはこのジャンルのモーツアルトも好きなのですが、第4番の圧倒的な悲劇性に全てが染まってしまいそうなイメージを一番先に払拭してくれたのがこの第1番でした。
この緩徐楽章には後に聴かれるような個人的な哀しみの深い淵が覗くような部分はありませんが、ここに聴かれる短調部分の歌の素晴らしさは、とても17歳のガキんちょのものではないですね。
この頃はまだパパと一緒の楽旅をしていた頃です。
第3楽章は楽しい語らいの曲。
各楽器の一番魅力的な音が次々に並んで聞こえてきて、当時の趣味人の好む音楽に仕上がっています。
メヌエット。アレグレットと言うよりアンダンテで演奏する演奏家が多いような気がします。
速度は相対的なものですが、このほのぼのとした無邪気さを楽しめるといいですね。
楽器の特徴が凄くでています。
終楽章は各楽器に歌のように受け継がれる主題が次第に遁走を始め、活き活きとした大きい曲です。
- アーティスト: スメタナ四重奏団,モーツァルト
- 出版社/メーカー: コロムビアミュージックエンタテインメント
- 発売日: 2003/03/26
- メディア: CD(セカンドヴィオラにヨーゼフ・スークが入ったPCM録音の演奏録音ともに優れた一枚だと思います。)
コメント 0