新しい場所へ [音楽]
モーツァルト/ヴァイオリンソナタ第25番ト長調K.301
第1楽章 アレグロ・コン・スピリート
第2楽章 アレグロ
2楽章のヴァイオリン伴奏付きピアノソナタ。
K.301からK.306までの6曲のソナタはマンハイム・ソナタとか言われている。
K.306の第6番以外は全て2楽章しかない。
クリスティアン・バッハみたいに楽章が少ないと未完成に思えたり、習作的な先入観を持つものだけれど、モーツァルトではそれが分からない。
何かに啓発されても、そのインスピレーションは受けた作品よりも遙かに高みに飛躍する。
第25番ト長調の印象は手すさびというような軽みを持っていて、それはハイドン的な装飾を捨て切れていないようにも感じるけれど、ピアノとヴァイオリンの比重は対等に近づいていて、モーツァルトの目指す方向が第6番K.306に聴かれるような協奏的なものへとスタートを切る準備段階のような気もする。
音楽史的なものには興味がないけれど、ピアノのコロラトゥーラの美しさと愛らしさ。
冒頭のアレグロの旋律の滑らかな歌。
それは、その自由さと切り口はモーツァルト以外にはない魅力に溢れている。
そこから先の世界にはただモーツァルトが立っているだけで、クリスティアン・バッハもハイドンもいない。
第2楽章にはまだ、ピアノの魅力がヴァイオリンを威圧するけれど、短調の部分の中間部の歌う楽器ならではのヴァイオリンの翳りの美しさはピアノ伴奏に支えられ、二重奏としての楽器の出入りを思わせる。
モーツァルトはそこへ行こうとしているかのようだ。
彼のヴァイオリンソナタには魅力的なフレーズが多いけれど、この部分も僕は大好きです。
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第24番&第25番&第26番&第27番&第29番
- アーティスト: パールマン(イツァーク),モーツァルト,バレンボイム(ダニエル)
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2005/12/14
- メディア: CD
モーツァルト : ヴァイオリン・ソナタ第24番ハ長調K.296
- アーティスト: シュナイダーハン(ヴォルフガング),モーツァルト,ゼーマン(カール)
- 出版社/メーカー: ポリドール
- 発売日: 1998/11/30
- メディア: CD
モーツァルト: ヴァイオリン・ソナタ第42番・第29番・第35番・第25番
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: マーキュリー・ミュージックエンタテインメント
- 発売日: 1998/08/23
- メディア: CD
クラウス・ノミが気になって
さっきもまた聞いてしまいました。
不思議な魅力を感じてしまいます^^
by renta12 (2009-01-17 02:41)
彼の声は意思を伝える楽器としてできあがっていますよね。エイトビートに乗ってもそれは乱れていないというか、楽器が無理なく出せるオクターブの中で抑制されています。昔のグラムロックバンドには地声でこれに近いものがありましたが、かれは地声ではない。不思議な感覚ですね。
by Mineosaurus (2009-01-17 07:22)