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Davidovのチェロ [音楽]

約300年を経た名匠ストラディヴァリウスの造ったチェロに冠せられた名前。
チェリストであり、4曲のチェロ協奏曲を作曲した19世紀のロシア出身のカール・ダヴィドフが使用していた関係で、今でも、この楽器は『ダヴィドフ』という名前で知られている。
現在この楽器は二転三転し、ヨー・ヨー・マの手にある。
ジャッキーからハインリヒ・シフを経たのか直接ヨー・ヨー・マに行ったのかよくわからない。
シフは『ザ・マーラ』というストラディヴァリウスを持っていたはずで、どうやら直接ジャッキーからマに渡ったのかも知れない。
ついこの間、バラク・オバマの就任演説会場で演奏を披露したはずが、当てレコだったという落ちが付いたヨー・ヨー・マの当日の腕にはこの楽器よりも新しい楽器が抱えられていた。
当然だとボクは思う。
300年を経て現在その価格は数千万円になろうかという楽器を、ワシントンの極寒の中に晒して演奏しろとは主宰者も言えないだろうと思ったりした。
この楽器が最も迫真にそのファインでクリアな音色を奏でたのはジャッキーの腕の中だった。
ジャクリーヌ=デュ・プレは生涯で2挺のストラディヴァリウスを寄贈されたが、このダヴィドフを愛奏していた。
ヨー・ヨー・マのボウイングでは軽快さが、時として音色の薄さを感じさせるけれど、彼女の火の出るような情熱と思い感情の澱みを突っ切るようなボウイングの中では気品を時にかなぐり捨てて腹の底に響くチェロの本性を見せた。
フォーレのエレジーハ短調はオーケストラをバックに弾かれることも多いけれど、もともとはチェロソナタの緩徐楽章として書かれた。
でも、結局フォーレはチェロソナタを2曲しか残さず、このエレジーは単独でそのもの悲しい呟きと慰めのない悲嘆を美しい結晶にして残している。


全曲は無理だけれど、ダヴィドフの音色をどうぞ。

エレジー / マイスキー・ベスト・アルバム

エレジー / マイスキー・ベスト・アルバム

  • アーティスト: マイスキー(ミッシャ),サン=サーンス,ショパン,シューベルト,ドビュッシー,成田為三,フォーレ,ビシュコフ(セミヨン),パリ管弦楽団,オヴォラ(ダリア),ギリロフ(パベル)
  • 出版社/メーカー: ポリドール
  • 発売日: 1995/03/25
  • メディア: CD

フォーレ:名作集

フォーレ:名作集

  • アーティスト: トルトゥリエ(ポール),フォーレ,ハイドシェック(エリック)
  • 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
  • 発売日: 1997/02/19
  • メディア: CD

サン=サーンス:白鳥(チェロ名作集)

サン=サーンス:白鳥(チェロ名作集)

  • アーティスト: デュ・プレ(ジャクリーヌ),ブルッフ,パラディス,シューマン,メンデルスゾーン,フォーレ,バッハ,サン=サーンス,ファリャ,ムーア(ジェラルド),ジェスン(ロイ)
  • 出版社/メーカー: TOSHIBA-EMI LIMITED(TO)(M)
  • 発売日: 2007/06/20
  • メディア: CD

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コメント 5

とも

ストラディヴァリウスってヴァイオリンだけではないのですね!!
確かヴァイオリンは数億の値が付くとか。。。
チェロもきっと、すごーく高いんでしょうね!!
by とも (2009-02-09 00:50) 

yuki999

ストラディヴァリウスの音は確かに違いますね。
by yuki999 (2009-02-09 06:53) 

kasumi

はじめまして。
ご訪問ありがとうございます。
ピアノはグレン・グールド
オペラはマリア・カラスを
愛聴しています。
チェロの音色もいいですね♪
by kasumi (2009-02-09 16:19) 

eyes

ご無沙汰していました

ゆったりと流れてくる声に癒されます(●⌒∇⌒●)
by eyes (2009-02-09 18:24) 

ちはる@ナベ

初めまして、こんばんは!
ご訪問&nice!くださりありがとうございました。
by ちはる@ナベ (2009-02-09 21:41) 

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