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聴かなきゃよかったか?(食べなきゃよかったか?) [音楽]

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ブルックナー/交響曲ヘ短調(00番)

第1楽章 アレグロ モルト
第2楽章 アンダンテ
第3楽章 スケルツォ
第4楽章 フィナーレ 


ヌルテ(0番以前)
ブルックナーの交響曲第0番は実は第2番の前にできあがっており、順番としては第1番が最初で次が第0番らしい。
ただ、ブルックナーにはそれ以前の習作があって自身が『残すに値しない』として破棄されるはずであったヘ短調の交響曲がある。
それを聴いた。
以前からマニアックなレコードとしてはあるにはあったのだけれど、最近はCDでもでているんだとか。
車に持ち込んで何度か聴いた。
特徴的なゲネラルパウゼなどあるわけでもなく、ブルックナーとして耳に慣れ親しんだ旋律の流れや律儀な法則性はあまり感じられない。
シンフォニックな響きが全方位的に響鳴しあう『交響』という言葉の原形が示されるブルックナーの真髄が感じられるよりも、ワグナーが交響曲を作ったような印象を受ける。
交響曲という形に籠めるため、自分のもっている音楽的創造性がどのような響きの形を取り、それは音楽史の大河の中でどの辺の流れをゆく可能性を持つものであるのか自問しているように感じる。
自問した後、次のステップに飛ぶために、この作品は役割を終えたのだ。
第1楽章より第2楽章、第2楽章より第3楽章、第3楽章より第4楽章とブルックナーはその目を光に向け始めている。
管楽器の入り方には既に確信が満ちていて身体より先に気持ちが前に押し出される。
ベートーヴェンの三連符はブルックナーの弦楽のリズムに昇華され、自画自賛のフィナーレに突き進んでいる。
自信があったんだろうね。
すこしたって自分で楽譜を見直して落ち込んだかも知れないけれど、心の底では『結構いけとるやないケ』と思ったに違いない。
結果的に彼は捨てるに忍びずひっそりとこうして残しているのだから。
そして彼は次に第1番を書いた。

第3楽章、第4楽章どちらもその後のブルックナーらしさが垣間見える。第3楽章は特にブルックナーらしい。
でも、ここでは縮図的な第4楽章を
各楽章を通じてもっともブルックナーらしさが弱いという評価を過去に受けてきているけれど、何を聴いていらっしゃったのかと言いたい。
シューマンっぽさはあるけれど、シューマンにはここまでの全方位的な響きの交歓はない。

 


全く関係のない話だけれど、ボクの奥さんが友人達と一緒に堀川跡の桜並木のサクランボを採りに行っていたそうだ。
野生だから小さくて完熟していても甘酸っぱいという程度の甘みしかない。
ドーナッツ食べた直後に掌で掬い取って入るだけ口に放り込んで盗み食いしたものだから右頬の裏側と左頬の裏側がくっつきそうなほど酸っぱかった。
大振りのステンレスボールにてんこ盛りに採取してきていたので咳き込みながら「どうするんだ」と言ったら『ジャムにするのよ』とあきれ顔で言われた。
出来あがったジャムは結構美味しいんだけど、彼女が面倒くさがって途中で種を取るのを止めたものだから、トーストに塗る前に自分で種を取り除かなければならない。
面倒だから食べたくないんだけど、食べてみればそれなりにバターとよう合う。
ヘ短調の
このシンフォニーはそんな感じだ。
なんのこっちゃ。

 

Symphonies 00-09

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2002/02/19
  • メディア: CD

Bruckner: Symphony in F minor

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  • アーティスト: Anton Bruckner,Stanislaw Skrowaczewski
  • 出版社/メーカー: Oehms
  • 発売日: 2003/02/12
  • メディア: CD

Symphony in F Minor (Study Symphony)

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  • アーティスト: Anton Bruckner,Georg Tintner,Royal Scottish National Orchestra
  • 出版社/メーカー: Naxos
  • 発売日: 2000/04/18
  • メディア: CD

Symphonies 0-9 & Symphony in F

Symphonies 0-9 & Symphony in F

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Teldec
  • 発売日: 2010/11/16
  • メディア: CD

Bruckner: Symphony in F Minor

Bruckner: Symphony in F Minor

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Teldec
  • メディア: CD

Bruckner: Symphony in F Minor

Bruckner: Symphony in F Minor

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ondine
  • 発売日: 2006/08/07
  • メディア: CD

Bruckner: Symphony in F Minor

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  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Ultima
  • 発売日: 2002/01/28
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コメント 7

yukikaze

ジャムですか。いいですね。種は邪魔かもしれませんが、取るのも手間ですからね…。

高知でジャムと聞くと、アンパンマンミュージアムのジャムおじさんか、介良イチゴの激甘ジャムを思い出します。あと、一宮の徳谷の方にもらったトマトジャムも変わっていて美味しかった記憶があります。
by yukikaze (2011-06-08 11:12) 

yakko

こんにちは。
えっ ! 堀川跡の桜並木のサクランボをジャムに〜〜〜?
種を取るのは大変な作業でしょうね〜(O_O)
by yakko (2011-06-08 15:28) 

rantan-nya

確かに種を採るのは大変そうだし、種入りのジャムを食べるのも
大変そうですね~
美味しいから、さらに困るわけですね^^
by rantan-nya (2011-06-08 18:14) 

こいちゃん

楽しい奥さんですね❤種めんどいからなぁ~
by こいちゃん (2011-06-08 22:16) 

すがめ

なんか食べ物で音楽を表現してもらうと俄然興味がわきます^^
by すがめ (2011-06-08 23:02) 

Mineosaurus

うーむ。サクランボジャムにいってしまったか…ブルックナーさんごめんなさい。
でもね、この習作。こんな本格的レベルで習作書いた人音楽史上にいたっけ?
番号がつかない交響曲にこんなにCDが出る作曲家、いたっけ?
ブルックナーは特別なのです。
by Mineosaurus (2011-06-09 20:49) 

Silvermac

ブルックナーよりもサクランボですね。(*⌒▽⌒*)
by Silvermac (2011-06-10 15:55) 

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