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空気感が創る夢 [地方地域情報]

少し前のことです。 

県立美術館のシャガールにはまだ間がある。
息子が帰ってきて次女のボルテージが上がり、再びゴヤを観たいと陶版復刻美術館『大塚国際美術館に行った。
今回は全部観ようなどと言う野心はなくて久しぶりで女房も行くのでまあ、ゆったり地下3階のスペースで1日使うつもりだった。
高知からは行きに3時間帰りに3時間かかるので、家族で行くと正味3時間もいられれば満足すべきだろうね。美術館に行くといつも思い出すのだけれど、オルセーやオランジュリーやポンピドーセンターなんかには何度か足を運んだことはあるけれど、ボクは一度もルーブルに足を向けたことはない。
叔母とヤンの家に何度か行ってるのに、ルーブルの前を自転車で何度か通っただけで、ついに中にはいることはなかった。
ツアーかなんかに入ってたら間違いなく行ってるんだろうけど。
家族で本物観に行くほどの経済的パワーはないので、この美術館はお手軽である。
公園内にある建物は3階までしか建てられないので、地下5階(路上)から地下3階にエレベーターで上がって行く。
まるで御茶ノ水の地下鉄だね。

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インフォメーションがある3階正面にはこのシスティーナ・ホールがある。
ホール内のテンペラ画は全て陶版複写だけれど、漆喰の剥がれや木材に埋め込んだ鎹の後まで再現してある。
本物のように設えられた木の椅子の座り、観光客の行列なんかないのでゆったりした気分で天地創造から失楽園ノアの大洪水まで眺めてはシャッターが切れる。


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6人の美術史家が精緻にセッティングした空間が、切り取られたホールの空気感を外界から遮断する。
ここがスタートなんだけれど、ここからなかなか動けない。
エゴン・シーレを観に行く息子とゴヤの家に行く次女をほったらかしにして、しばしのーんびり上ばかり見ていた。

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正面の壁画に映っている痩せた女性がMikasaurusです。多分最後の審判を仰視してるんでしょうな。

その隣にあるスクロヴェーニ礼拝堂ではホールに沿って設えられた長いベンチに座って、またまた一休み。
空気感が作る藍色の夢に浸りました。


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もしも本物ならこんなにのんびりと鑑賞なんかは出来ないんだし、何故、世界各国で評価が高いのかこの美術館の真価が朧気ながら判ったような気がする。

次に同じ階にあるキンキラキンのエル・グレコ祭壇衝立の縮小復元。
世界各国にバラバラに補完されている部分が全てあるべき姿で観られる。

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1時間半ほどたって、食事のために集合。
待ち合わせの部屋にはまだ誰も来てなかった。
ダヴィンチの最後の審判の修復前と現在の修復後の展示が左右に掛けられている。
こんなことが出来るのも陶版複製の良いところだね。

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ビフォアの前に倅を発見。
遅れてやってきた次女と合流。

遅い昼食をとり、再びばらけて見学。
午後5時にでて、サービスエリアで食事をとり、帰り着いたのは9時近くでした。


音楽はカッチーニの例のアベ・マリアだけしか言わない歌のピアニ版。
舘野泉さんの演奏です。

 







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コメント 4

こいちゃん

またまたいらしゃいませ~徳島。
大塚美術館、地元の私たちはいつでも行ける~って感じでなかなか行かない。いまだに入ったことがありません(笑)
by こいちゃん (2012-02-17 08:26) 

hisa

空気感が創る藍色の夢。
素敵な表現。
by hisa (2012-02-17 11:03) 

nana_hyr

大作を前にすると、迫力が違いますね。
絵の外にいる自分が居場所を間違っているかのようです。

ピアノもしっとりしていてよかったです。
by nana_hyr (2012-02-17 11:51) 

Silvermac

ここは行ってみたところです。
by Silvermac (2012-02-17 20:17) 

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