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パリーの傑作 [音楽]

BLOG CAT ON Parry
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ピアノ三重奏曲第3番ト長調 


第1楽章 アレグロ モデラート
第2楽章 カプリチオ:アレグロ
第3楽章 ラメント:レント
第4楽章 アレグロ


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ヒューバート・パリーの室内楽のCDは非常に少ない。HMVにもジャケット写真すらない。
シンフォニーは大変素晴らしい演奏が揃っているのだけれど、彼の室内楽はまだこれからなのかも知れない。
音構造(和声)が簡明で、ブラームスに近似していることから亜流とみなされているかといえば、そう呼ぶにはあまりにも作品の風格がある。
つまり、遜色がないのです。
確かに彼の作風はその前にブラームスの存在がなければ成り立たなかっただろうけれど、強烈な推進力と確固たる音楽性が腰の据わった『格』を作り上げ、世紀がもっと長いスパンで回想される時代になれば、間違いなくイギリスの音楽の大地に太い幹を伸ばしている大樹である。
彼の3曲のピアノとヴァイオリン、チェロのための三重奏曲は製作年代を考慮してもどの作品もわかりやすく素晴らしい。
モダニズムの風潮が世紀初頭を風靡する中で断固として全音階を突き進んだ。
凝縮された音楽性がこの室内楽の一曲にも滔々と流れている。
どの楽章も素晴らしい。
懐かしい回想に耳をそばだてるような旋律から次第に熱を帯びた重奏の明快な旋律美。
主題には華があるとは言えないけれど、シンプルな楽器構成に実にぴたりと嵌っている。
ピアノの扱いと力感が対等な弦楽は決してヒステリックに叫ぶこともなく、ブラームスのように灰色がかったロマンティシズムを展開する。
第2楽章はスケルツォではなく、奇想曲風になっていて前に出てくるのはピアノとヴァイオリン。そのイングランドのローカリティが速い部分でヴァイオリンに乗るときの何て綺麗で浮き立つようなメロディだろう。
愁いを含んだ中間部のヴァイオリンとチェロの二重奏、そこから再び冒頭のテーマに変える部分の気分の沈潜。
嵌りましたね。ボクは。
この楽章はいい。実に。
第3楽章はラメント『祈り』のレント。パリーはあまり美しいという緩徐楽章を書かない。メロディが時として体格に似合わず優美であったブラームスとそこが異なるといえばそうかな。
でも、やはり旋律だけで作り上げない頑固な音楽性が好ましい。対位的に組まれた音楽は風格があり、渋く松の木が燃えるように派手な炎は上がらないけれど、熱気は高い。楽興がヒートアップしてゆくときのピアノ。弦楽がやや大人しいのはこのトリオの特徴みたいだ。
何しろ演奏を比較しようにも手許の音源がたったひとつ。
第4楽章は明朗さ前回のヴァイオリンが奏でる動機にピアノが後を追って旋律を踏んで行く。
あるかなしかのメロディだけれど、それがとても好ましく気分がいい。
バッハとブラームスを敬愛した作曲者の心意気が垣間見える。この楽章もいいぞぉ。
てなわけで、ボクは1番手の届く棚のバルビローリのブラームスの隣にこのCDをおいている。

この作品もYouTubeに音源を探すことができなかった。業を煮やしたボクは初めてYouTubeにビデオをアップロードした。
初めてだったので作り方がまずいけれど、そのうちきっと馴れるでしょう。
画像をメインとして音楽はBGMとして使用しました。第2楽章のみです。
画像はブログの中の猫たちで過去に描かせていただいた作品からアットランダムにピックアップしました。

うまくいったら音楽紹介でまた創ってみようと思います。

 

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この作品もYouTubeに音源を探すことができなかった。業を煮やしたボクは初めてYouTubeにビデオをアップロードした。
初めてだったので作り方がまずいけれど、そのうちきっと馴れるでしょう。
画像をメインとして音楽はBGMとして使用しました。第2楽章のみです。
画像はブログの中の猫たちで過去に描かせていただいた作品からアットランダムにピックアップしました。

うまくいったら音楽紹介でまた創ってみようと思います。




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コメント 2

glennmie

とっても素敵です。
画像がつくとイメージが膨らみますね。
次回作も楽しみにしています。
by glennmie (2012-11-12 12:04) 

yuki999

じっちゃん、
たまにはコメントちょうだい
by yuki999 (2012-11-13 19:04) 

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